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もの忘れを伴う疾患 その4 

 
 
もの忘れを伴う疾患として
 
8種類の疾患を前回紹介致しました。
 
今回はその中での6、甲状腺機能低下症
についてお話していきます。
 
 
6、甲状腺機能低下症
 
 
甲状腺機能低下症は、
慢性甲状腺炎と橋本病は同じ意味に使われ、
バセドウ病とともに代表的な甲状腺疾患です。
 
 
頻度は高く、血中自己抗体のデータからは
一般成人の10~25%の女性
橋本病の素質があると考えられます。
 
 
 
女性に多くみられ、しばしば家系的発生がみられ
遺伝的素因が考えられます。
 
 
バセドウ病と同様に病因として
自己免疫疾患
(自分の体の組織成分に対して抗体がつくられることによって起きる疾患)
と考えられています。
 
 
■ 甲状腺機能低下症状としては、
 
 
倦怠感、寒がり、むくみ(押しても圧痕を残さない)、
筋力低下、便秘、体重増加、過多月経、声のかすれ、
皮膚乾燥、脱毛などがあります。
 
 
 
甲状腺機能異常を伴わないものでは
あまり自覚症状はありません。
 
 
■ 診断
 
 
甲状腺機能が低下してくると
血中甲状腺ホルモンは低値となり、
甲状腺刺激ホルモン(TSH)は高値になります。
 
 
 
また、血中コレステロール高値、
 AST、 ALT、 ALP などの肝機能の軽度高値
(このコレステロール高値や肝機能異常は
甲状腺機能の改善とともに正常化する)
などがあります。
 
【参考】
 
肝機能の数値
 
AST(GOT) 基準値:30 IU/L以下
 
<健常時>
細胞内でつくられる酵素で、肝細胞もしくは
心臓や腎臓などの臓器に多く存在しています。
 
 
体内でのアミノ酸代謝やエネルギー代謝の過程で
重要な働きをします。
 
 
◆ALT(GPT) 基準値:30  IU/L以下
 
<健常時>
細胞内でつくられる酵素で、主に肝細胞に存在しています。
体内でのアミノ酸代謝やエネルギー代謝の過程で
重要な働きをします。
 
 
<異常時>
何らかの異常で肝細胞が破壊されることにより、
はじめて血液中に漏れ出します。
 
 
その数値が高いということは、
それだけ肝臓が障害を受けているという状態を
反映しています。
 
◆ALP(アルカリホスファターゼ)基準値:100~325 IU/L
 
<健常時>
肝臓をはじめ、腎臓などのからだの
さまざまな細胞でつくられる酵素で、
肝臓では通常毛細胆管膜に多く在し、
胆汁中にも存在します。
乳製品、レバーなどに多く含まれる物質(リン酸化合物)を
分解する働きがあります。
 
 
 
いかがでしょうか?
疲れやすくなってきた、寝ても疲れが取れない、そして顔色が最近さえないなど、
気が付いたらそんな感じがある方は、一度血液検査をするとよいかもしれません。
 
 

もの忘れを伴う疾患 その3 

 
 
もの忘れを伴う疾患として
 
8種類の疾患を前回紹介致しました。
 
今回はその中で5、正常圧水頭症についてお話していきます。
 
 
5、正常圧水頭症
 
 
脳は、脳脊髄液(略して髄液)と呼ばれる、
水のような無色透明の液体に浸かっています。
 
 
何か不思議な感じがしますよね。
 
 
たとえば、
豆腐が水と一緒にパックに詰められたような状態です。
 
 
脳の内部には脳室と呼ばれる空間があり、
髄液が循環していますが、髄液はその脳室の一部にある
脈絡叢(みゃくらくそう)の血管から
血液が濾過(ろか)されるような形で、
1日に約500mLつくられていきます。
 
 
 
脳と脊髄に存在する髄液は約150mLですから、
髄液は1日に3回くらい脳と脊髄を循環しているわけですし、
髄液は最終的に脳の表面を通り、
頭のてっぺんにある上矢状洞(じょうしじょうどう、)という
太い静脈系へと吸収されていきます。
 
 
 
この髄液の循環通路のどこかで何らかの理由で
 
(先天性の中脳水道の閉鎖や、後天的には脳腫瘍、脳室内出血など)
 
循環が妨げられると、髄液は次第に溜まってきます
 
 
 
脳は、頭蓋骨という固い閉鎖空間に囲まれているので、
髄液が溜まってくると脳圧が高くなり、
また髄液が存在する脳室は大きくなります。
 
 
 
そして、脳の機能が障害されることになり、
頭痛、嘔吐(おうと)、意識障害が出現し、
手遅れになると呼吸停止で死に至ることもあります。
 
 
この病態は水頭症と呼ばれ脳圧が高いのです。
 
 
 
たとえば、くも膜下出血(外傷後や脳動脈破裂後)や
髄膜炎などで、脳表のくも膜下腔の髄液の流通が
比較的マイルドに障害されている場合は、
時間の経過とともに様々な代償作用で脳圧が下がっていき
正常化することがあります。
 
 
 
この場合は、脳室が拡大しているのですが、
脳圧は正常範囲内で症状も重篤なものではなく、
 
①認知障害(物忘れ・痴呆)、
 
②歩行障害、
 
③尿失禁などが出現します。
 
 
くも膜下出血、髄膜炎など原因が明らかな場合は
続発性正常圧水頭症と呼ばれます。
 
 
一方、高齢者に多いのが、
原因がないにもかかわらず脳室が拡大し、
上記の症状が出現する場合は、
特発性正常圧水頭症と呼ばれます。 
 
 
 
■ 症状
 
 
典型的な3大兆候としては、
 
①認知障害(物忘れ・痴呆)、
 
②歩行障害、
 
③尿失禁ですが、
 
3つの症状がすべてそろわない時もあります。
 
 
症状の中では歩行障害が最も重要で、
シャント術で改善する率も高いです。
 
 
 
歩行障害の特徴は、
歩幅の減少、足の挙上低下、
両足を拡げた歩行(broad-based gait)といわれています。
 
 
椅子から立ち上がりにくくなったり、
方向転換時に歩行の不安定性が増します。
 
 
また、パーキンソン病の歩行障害と異なり、
号令や目印となる線など外的キュー(きっかけ)による
歩行の改善効果は少ないです。
 
 
 
認知障害の特徴としては、
初期の場合は、意欲や自発性の低下、
集中力の低下など、これまで活動的だった人が
外界に対して無関心になり、少しボーッとした感じになります。
 
 
症状が進む見当識障害といって、
時・場所・人に関する記憶が失われます。
 
 
尿失禁は、尿意をもよおした時、
すぐにトイレに行かないと漏らしてしまう尿意切迫型です。
 
 
しかも歩行障害もあるため、尿失禁に至ることが多くなります。
 
 
男性の場合は、前立腺肥大と診断されていることもあり、
鑑別が難しいことがあるようです。
 
 
 
■ 診断
 
くも膜下出血や髄膜炎など続発性の場合は
診断は比較的やさしいのですが、
原因不明の特発性の場合は
病態機序が未解明です。
 
 
 
いずれにせよ、年のせいだとあきらめず、
パーキンソン病、アルツハイマー病と診断がついていても、
まずは正常圧水頭症の可能性を疑い、
専門医の診断を受けることが大切です。
 
 
物忘れの症状がでる「正常圧水頭症」という言葉を
今回初めて聞かれる方もおられるのではないでしょうか?
 
 
大枠を知っているとやみくもに心配することもなくなるので、
参考にして頂けたら幸いです。
 
 
 

もの忘れを伴う疾患 その2

脳腫瘍を始め、8種類の疾患を前回紹介致しました。
 
今回はその中での3、脳腫瘍と4、慢性硬膜下血腫
についてお話していきます。
 
 
3、脳腫瘍
 
脳腫瘍とは
 
脳腫瘍には、良性と悪性があり、種類もたくさんあります。
 
 
腫瘍の場所によって症状もさまざまです。
 
 
症状が出るときは、
 
すでに腫瘍が大きくなっていると考えられます。
 
 
悪性の場合は、症状がなくても進行が
早いこともあります。
 
 
脳腫瘍に類似した症状
 
 
脳腫瘍は年間の発症が1万人に1人というまれな病気ですが、
頭痛や神経症状、けいれん、まひといった多彩な症状が出ます。
 
 
脳梗塞、常習性頭痛、脳炎、てんかんなどと症状が
類似したものがあります。
 
 
ですから、脳神経科や脳神経外科などで
診てもらう必要があります。
 
 
 
■ 主な良性脳腫瘍
 
髄膜腫…くも膜にできます。
 
ほぼ全摘出が可能です。
 
頭痛やけいれん発作の症状が出ます。
 
 
下垂体腫瘍…女性に多く、下垂体にできます。
 
月経不純や出産しないのに母乳がでたりする症状があります。
 
また、視神経が圧迫されるとものが見にくくなります。
 
 
聴神経腫瘍…脳幹から出ている耳の神経にできます。
 
 
めまい、耳が聞こえにくくなる、顔面神経まひ、
頭痛といった症状があります。
 
 
 
■ 主な悪性脳腫瘍
 
神経膠腫(グリオーマ)…脳のグリアという神経細胞を
くっつける細胞からできます。
 
脳のがんと呼ばれ、摘出は不可能です。
 
 
転移性腫瘍…ほかの臓器などのがんが脳に転移したものです。
 
肺がん、乳がん、消化器がん、甲状腺がんなどの転移が多く、
肉腫やメラノーマといった悪性腫瘍からも転移します。
 
 
■ 脳腫瘍の検査
 
 
CTやMRIで検査します。
 
血管造影検査や脳波測定も必要に応じておこなわれます。
 
 
■ 脳腫瘍の治療
 
 
良性の場合は摘出手術が効果的で、
完治が可能です。
 
 
悪性の場合は放射線治療が一般的です。
 
それぞれの大きさ、種類、場所などによって治療法が決められます。
 
 
4、慢性硬膜下血腫とはどんな外傷か
 
 
頭蓋骨の内側で脳を包んでいる硬膜と脳の間に、
徐々に血がたまって血腫になったものです(コラム頭部の解剖図)。
 
 
 
中高齢者(おおむね50~60歳以上)に多い特徴があります。
 
 
■原因は何か
 
軽微な頭部打撲(だぼく)をきっかけにして、
脳の表面(脳表)に微量の出血あるいは
脳脊髄液(のうせきずいえき)がたまって、
その反応でつくられる膜から少しずつ出血が繰り返され、
血腫が大きくなると考えられています。
 
 
きっかけになる頭部外傷がはっきりしないことも
まれではありません。
 
 
 
■ 症状の現れ方
 
 
契機となる頭部外傷の直後は無症状か頭痛程度の
症状しかないことが多く、このため、
病院を受診しない人がほとんどです。
 
 
このあと通常は3週間~数カ月かけて血腫がつくられて、
頭蓋骨の内側の圧が高まり(頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん))、
頭痛や吐き気・嘔吐が現れます。 
 
 
 
また、血腫による脳の圧迫症状として
半身の麻痺(片麻痺(かたまひ))、言語障害などが
初発症状のこともあります。 
 
 
 
軽度の意識障害として、元気がなかったり(自発性の低下)、
ぼけ症状(認知症症状)がみられることもあります。
 
 
血腫が増大していけば意識障害が進行して
昏睡(こんすい)状態になり、さらに血腫による圧迫が
脳ヘルニアの状態にまで進行すると、
深部にある生命維持中枢(脳幹(のうかん))が侵され(呼吸障害など)、
最終的には死に至ります。
 
 
 
■ 検査と診断
 
 
きっかけになる頭部外傷の直後では、
頭部CTで異常が認められないことがほとんどです。
 
 
症状が現れれば血腫によって脳が圧迫されているので、
CTで診断されます。 
 
 
 
血腫はCTで白く映ります(高吸収域)。
 
 
慢性の血腫では血液濃度が薄い場合があり、
CTでは灰色(等吸収域)あるいは黒く(低吸収域)映ることもあります。
 
 
また、慢性の血腫はMRIで特徴的な所見を示すので、
頭部MRIも診断に有用です。
 
 
 
 
 
血腫が少量で症状も軽微な場合は、
自然吸収を期待して経過観察とすることもありますが、
通常は局所麻酔下の手術が行われます。
 
 
慢性の血腫はさらさらした液状のため、
大きく頭蓋骨を開けなくても小さな孔(あな)から取り除けるので、
穿頭血腫除去術(せんとうけっしゅじょきょじゅつ)あるいは
穿頭血腫ドレナージ術が行われます。
 
 
 
いかがでしたか。
 
自分で多く思いあたることがある場合は、検査してみた方がよいかもしれません。
 
 

もの忘れを伴う疾患 その1

 
 
もの忘れを伴う疾患として
 
脳血管性認知症を始め、8種類の疾患を前回紹介致しました。
 
 
今回はその中で
 
1、脳血管性認知症と
 
2、アルツハイマー型認知症
 
についてお話していきます。
 
 
1、脳血管性認知症とは・・・
 
 脳卒中(脳血管障害)によって神経組織が壊れて、
その結果認知症が現われるものをいいます。
 
 
認知症のうち半分がアルツハイマー病で、
3分の1が脳血管性認知症、
レビー小体型認知症が10%余りです。 
 
 
 
主に60歳以後に現れますが、アルツハイマー病に比べて
男性に多いようです。
 
 
■原因は何か
 
(1)多くは、脳の太い血管(皮質性)や
細い血管(皮質下性)が詰まり(梗塞)、
酸素が運ばれなくなり、神経細胞やそこから出る
神経線維が壊れて認知症になります。 

 
 
(2)脳血管が破れた脳出血の後遺症(脳出血性)として、
認知症になることもあります。 

 
 
(3)脳の海馬や視床(ししょう)といった
記憶に関係する部位(限局病変型)に脳卒中が起きて
認知症になることもあります。 

 
 
(4)脳の血の巡りが悪く(低潅流型)認知症になることもあります。
 もともと、高血圧、糖尿病、脂質異常症(コレステロール値の高い人)、
膠原病(こうげんびょう)(関節リウマチなど)、血液が固まりすい人、
ストレスに弱い人、喫煙者には、脳卒中がよく起こります。
 
 
そこで、これらを脳血管性認知症の危険因子と呼びます。
 
 
■症状の現れ方
 
アルツハイマー病とよく似た症状が現れますが、
アルツハイマー病は徐々に悪くなるのに対し、
脳血管性認知症は階段状に悪くなるとか、
症状の動揺があるのが特徴です。 
 
 
 
細い血管の梗塞による場合には徐々に進行します。
また、記憶障害より運動障害や感情障害が目立ちます。
 
 
 
初期から歩行、嚥下(えんげ)、発語の障害が現れるため、
パーキンソン病と似た加速歩行など、
脳血管性パーキンソニズムの症状も出ます。
 
 
元気なく、やる気のない抑うつ状態の人もあります。
その場にそぐわない泣きや笑い(感情失禁)がみられる人もあります。
 
 
 
2、アルツハイマー型認知症
 
■アルツハイマー病とは・・・
 
アルツハイマー型認知症=アルツハイマー病(AD)は
世界的に最も多い神経変性疾患です。
 
 

正式名称を“Alzheimer's basket cells”といいます。

 
 
1907年、ドイツの精神科医であるA.アルツハイマー博士が
初めて報告した病気で、報告者である博士の名前が病名につけられました。
 
 
 
この病気は、脳内で特殊なタンパク質異常が起こり、
脳内のニューロン・シナプスが脱落していきます。
 
 

脳内の神経細胞がどんどん壊れ、脳が次第に萎縮していき、
知能、身体全体の機能も衰えていきます。
 
 

そして、二次性の呼吸器合併症などによって
最終的に死に至ることも少なくありません。
 
 

アルツハイマー病の原因は未だわかっておらず、
特効薬といえる治療薬も、治療法もありません。
 
 
アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)の原因は?
 
 
 
 
▲アルツハイマー型認知症患者の脳の老人斑
 
アルツハイマー型認知症は、
 
脳の神経細胞の減少、脳の萎縮、脳への老人斑
・神経原線維変化の出現を特徴とします。

 
 
脳の中にβアミロイドと呼ばれるタンパク質が
たまり出すことが原因の一つとされていて、
βアミロイドが脳全体に蓄積することで健全な神経細胞を
変化・脱落させて、脳の働きを低下させ、
脳萎縮を進行させると言われています。
 
 

しかし、はっきりした原因はいまだに分かっていません。
 
 
アルツハイマー型認知症の発症と進行は比較的緩やかです。
 
 

しかし、確実に、徐々に悪化していきます。
 
 

多くの場合、物忘れ(記憶障害)から始まり、
時間、場所、人の見当がつかなくなります(見当識障害)。
 
 

物忘れは、病気の進行とともに「最近のことを忘れる」から
「昔のことを忘れる」というように変化し、
 
 
次第に過去の記憶や経験などを失っていきます。
 
●特徴は…
 
早い時期から診断可能。
進行すると家族の顔も分からなくなる。
40歳代からの発症があり、しかも進行が早い。
患者は、紙に立体図形が描けない。
 
 
●発症する過程は…
 
脳の中にβアミロイドと呼ばれるタンパク質が増え、たまり出す。
     
βタンパクは中性エンドペプチド(酵素) が分解するが、
     患者はこの酵素量が少ない。
 
     タウタンパクが増加する
 
     神経細胞死が起きる
 
     アルツハイマー型認知症が発症する
 
 
アルツハイマー型認知症の症状は?
 
 
●前駆症状
知的能力低下に先立つ2~3年前から、   
     軽度の人格変化が起こる
(例: 頑固になった、自己中心的、人柄に繊細さがなくなった)
 
     不安・抑うつ症状が出る
 
     睡眠障害が出る
   
     不穏、幻視妄想を認めることが多い
 
 
●第一期に出る症状
 
     健忘症状・・・ものごとを忘れる
 
     空間的見当識障害・・・道に迷う
 
                   多動・・・徘徊を繰り返すようになる
 
 
●第二期に出る症状
 
     高度の知的障害、巣症状(失語、失行、失認)
 
     錐体外路症状(筋固縮)・・・パーキンソン病と間違われることもある
 
 
●第三期に出る症状
 
     高度な認知症の末期で、しばしば痙攣、失禁が認められる
   
     拒食・過食、反復運動、錯語、反響言語、語間代(例: ナゴヤエキ、エキ、エキ)がみ     られる
 
 

脳のエネルギー源は・・・

脳のエネルギー源は・・・
 
 
脳のエネルギー源は・・・
 
 
脳にいい朝食メニューとしては
 
ブドウ糖・果糖・蜂蜜・でんぷんなどの
糖類を食べること、
 
ということを前回お話ししました。
 
 
 
今回はそのエネルギー源を詳しくみてみましょう!
 
 
 
ブドウ糖
 
 
主に体の中で、ご飯やパン、めん類などの
でんぷん質の食物からつくられます。
 
 
ご飯やパンを食べて30分くらい経つと、
 
血液中のブドウ糖(血糖)はピークになり、
 
次々と脳に送り込まれていきます。
 
 
 
ブドウ糖は脳を正常に働かせる役割を担っており、
 
ブドウ糖が不足すると、
 
脳はエネルギーを作ることができず、
 
思考能力が低下してしまいます。 
 
 
 
さらに、集中力が欠け、やる気も出ず、
イライラするなど仕事も勉強もはかどりません。
 
 
 
ダイエットなどで
 
炭水化物を取らない食生活を送っていしまうと、
 
頭がぼーっとしていくのは、脳がエネルギー不足で
 
働かなくなっているためです。
 
 
 
受験生の方、受験期間はダイエットはやめておいた方が
よろしいかもしれません。
 
 
果糖
 
 
果糖は読んで字のごとく果物に多く含まれます。
 
 
 
果糖の多い果物 は、
りんご、日本梨、西洋梨、びわ、ぶどうなどです。
 
 
果糖の少ない果物は、
桃、すもも、みかんとなります。
 
 
バナナは、必須アミノ酸である「トリプトファン」
 
セロトニンの合成を助けるビタミンB6、
 
脳のエネルギー源であるブドウ糖を含むので
 
非常に理想的な食品といえます。
 
 
 
 
脳の活性化とチョコレート
 
 
脳を活性化させる食べ物として
チョコレートが良い!と言う話を聞いたことがある方は
多いのではないでしょうか?
 
 
脳自体のエネルギー源は糖分なので、
もちろんエネルギー補給と言う面では必要ですが、
チョコレートには脳を活性化させる様々な成分を
含んでいるのです。
 
 
 
チョコレートの原料はカカオですが、
このカカオは古来より薬効成分を含まれている
ことが知られていて、珍重されてきました。
 
 
 
チョコレートに含まれるテオブロミンという成分は
大脳皮質を刺激して、やる気を出させる効果が
期待できます。
 
 
またチョコレートの持つ特有の香り成分は
脳の中枢神経に作用し、集中力を高める効果があるのです。
 
 
 
さらにチョコレートに含まれる、
ビタミン類やミネラルは脳内で抗酸化作用を発揮して
ボケの防止にも役立っているということです。
 
 
ビタミンの「抗酸化作用」とは、
活性酸素の働きを抑える作用です。
 
 
例えば、活性酸素は体の中にある脂質を酸化して、
老化や動脈硬化などを進行させる有害な
過酸化脂質をつくりだし、この過酸化脂質が
体のサビとなり悪影響を及ぼします。
 
 
こういう悪影響を及ぼすのを、抑える働きです。
 
 
ただし、全てのビタミンに抗酸化作用があるわけではなく、
ビタミンA、C、E、そしてB2などにある
「薬理作用」にのみ、含まれます。
 
 
そこで、これらのビタミンは活性酸素の悪い働きを抑え、
過酸化脂質などの生成を防ぐという意味で
「抗酸化ビタミン」と呼ばれます。
 
 
 
チョコレートには、単にエネルギー源というだけでなく、
その成分が様々な面で脳に良い効果を発揮するので、
是非勉強や仕事のお供に加えてください。
 
 
さあ、朝食を今まで摂っていなかった方は、
せめて脳のエネルギー源であるブドウ糖を
とるように心掛けてはいかがでしょう!
 
 
 

ストレスからくる下痢・便秘の改善には・・・

ストレスからくる下痢・便秘の改善には・・・
 
ストレスからくる下痢・便秘の症状改善には・・・
 
 
前回はストレスからくるお腹の症状の代表的的な
下痢や便秘の症状改善に、「プロバイオテクス効果」
があるものとして、乳酸菌やビフィズス菌を含む
ヨーグルトや乳酸菌飲料などがあることをお話ししました。
 
 
今回はこのヨーグルトなどに入っている、
たくさんの種類の乳酸菌が
どのような種類と効果があるのかを
お話ししていきます。
 
 
 
乳酸菌の働き
 
人間の腸の中には、約100兆個もの腸内細菌が存在し、
その種類は数百種類以上にのぼります。
 
 
その中でも人に有益な働きをするものは「善玉菌」
その反対で人に悪さをする菌は「悪玉菌」、
この2つのどちらにも属さず日和見的な
作用をするものを「中間菌(日和見菌)」と言います。
 
 
善玉菌
 
食べたものをエネルギーに替え、毒素・
有害物質を排泄・代謝するなど、
生きていくうえで必要不可欠な働きをしています。
酸菌やビフィズス菌は、善玉菌の代表格ですね。
 
 
悪玉菌
 
腸内のたんぱく質を腐敗させ、
発がん物質や有毒ガスを作り出します。
 
 
 
これにより腸の活動が低下し、
便の腸管通過時間の増加により
便秘が発生しやすくなります。
 
 
 
また、おならや便が普段より臭い時なども、
ウェルシュ菌などの
悪玉菌が増えてしまっているサインと言えます。
 
 
 
健康的な腸内環境を保つためには、
日常的に乳酸菌やビフィズス菌などの
善玉菌を摂取し、腸内細菌の
バランスを整える必要があります。
 
 
 
代表的な乳酸菌の種類と効果
 
 
腸内環境改善のために乳酸菌をとる場合、
プロバイオテクス効果を認められた
食品を選ぶことが大切です。
 
 
乳酸菌の研究成果は日進月歩、
自分の気になる症状に合った乳酸菌を
食生活に取り入れて、健康づくりに
役立てていきましょう。
 
 
BB536株
 
生きたまま腸に届き、消化活動を活発にして、
便秘の改善の他、腸内でBB536株がつくる
酢酸の殺菌パワーにより、免疫力の向上も期待できます。
 
 
また、腸管の免疫細胞の過剰反応によって
起きる花粉症の症状緩和にも、効果があるとされています。
 
 
 
BE80株
 
こちらも酸に強く、ほかのビフィズス菌に比べても
生命力のある菌です。
 
 
 
 
消化された食べ物が腸管を通過する時間が短縮され、
また食後の膨満感を改善する効果も認められています。
 
 
食後にお腹が膨らむのは、
 
腸の中の悪玉菌が食物を分解する際に
 
ガスを出すためですが、BE80株により腸内細菌の
 
バランスが改善されることにより、
 
上記の効果が表れると考えられています。
 
 
 
LB81乳酸菌
 
ヨーグルトの本場ブルガリア
伝統的に使われているサーモフィラス菌1131株と
ブルガリア菌2038株を組み合わせたものが
LB81乳酸菌と呼ばれています。
 
 
便秘を和らげ、また便秘と関係の深い肌荒れにも
効果が確認された例があります。
 
 
シロタ株
 
 
シロタ株は、高い整腸効果はもちろん、
病原性大腸菌O-157の定着を防いだり、
花粉症の症状を軽減させる効果も認められています。
 
 
さらに、大腸がんや膀胱がんの発がんリスクを
低減する可能性も示唆されています。
 
 
 
LGG菌
 
LGG菌は、胃酸や胆液に負けずに生きたまま腸に届き、
また菌の表面が繊毛の覆われていること
腸管に付着しやすいことが特徴です。
 
 
また、花粉症の鼻づまり症状を改善したり、
子どものアトピー性皮膚炎の発症率を
低下させる効果についても認められています。
 
 
 
SBT2928株
 
SBT2928株は、食べた後に人の腸内に
定着することが証明されており、
特に、病原性大腸菌O-157の感染リスクを
低下させる効果に注目されています。
 
 
以上いろいろな乳酸菌があることが
わかりました。
 
たぶんこの中で見たこと
食べたことがあるものもあったでしょう!
 
 
 
何気なく食べているこの菌が生きていて
私たちの身体にいろいろな影響を及ぼしているのが
わかったと思います。
 
今後も意識して食べると、いろいろな変化がわかるかもしれませんね。
 
 

脳を活性化する食べ物とは・・・

脳を活性化する食べ物とは・・・
 
脳を活性化する食べ物とは
 
 
 
脳を活性化するには、
バランスの良い食事をしていれば
それが一番良いわけですが、
具体的にどんなものを、
どのように食すればよいのかが、
 
知りたいことですよね。
 
 
受験勉強や、資格試験を受ける場合は、
いつもより意識した方が良いでしょう!
 
 
私たちの身体は食べたもの、
食べ物でできているのですから・・・
 
 
 
まず、脳が必要としている栄養素と、
どのくらい必要なのかということからみてみましょう。
 
 
 
脳の重さは全体重の2.2パーセントしかありません。
 
 
人間の成人男性の脳  →  約1400g
人間の成人女性の脳  →  約1250g
 
知能の高さは 脳の重さではなく
神経細胞をつなぐ回路の緻密さによる
とされています。
 
 
重さと賢さは比例しませんので、ご安心下さい^^
 
 
 
そのエネルギー消費量は
20パーセント以上になります。
 
 
脳はその重さに対しては、だいぶ消費量が多いことが
わかります。
 
 
脳はブドウ糖のみをエネルギー源としていますが、
ブドウ糖は脳にわずかしか、貯蓄できません。
 
 
 
ですから、朝食(炭水化物中心)をしっかり摂ることは、
脳に栄養を十分与えて、効率的に一日の生活を送る
秘訣です。
 
 
血液中にあるブドウ糖の何と50%が、脳によって消費されています。さらに脳は安静にしている時でも1日120gもブドウ糖を消費しており、1時間に5g消費していきます。
 
 
何もしていなくても消費し続けるので、
1日3回の食事でしっかり補給してあげることが、
脳の働きを維持するために必要となってきます。
 
 
 
また、ブドウ糖と一緒に取らなければいけないのが、
酸素です。
 
 
 
これは食べ物ではありませんが、
脳にとっては、酸素がいかなくなると
大変なことになります。
 
 
 
そのためあくびがよくでることがありますね。
 
 
あくびは口を大きくあけて、
たくさんの酸素を取り込みやすいようになる
動作なのです。
 
 
 
現代人は特に呼吸が浅いと言われています。
 
 
ブドウ糖同様、なるべく深呼吸・深い呼吸に
意識をむけましょう!
 
 
 
脳にいい朝食メニューとしてはブドウ糖・果糖・
蜂蜜・でんぷんなどの糖類を食べることです。
 
 
 
朝必要なブトウ糖など栄養を摂って、
深呼吸しながら散歩する、
 
それによって頭の活性化が進んで記憶力も冴えてくる、
ということがおきてきます。
 
 
 
朝、散歩を習慣にしている皆さんは、
 
呼吸を深くすることを意識しながら、
 
散歩するようにするとさらに脳の活性化が
 
期待できます。
 
 
 
朝食を抜かない方が良いというのは、
脳はブトウ糖を常に消費しているためなのですね。
 
 
 
 
明日は
 
さらに詳しくこのブトウ糖など糖類について、
お話ししていきます。
 
 
お楽しみに・・・
 
 
 

ストレスによるお腹の症状の予防とは・・・

ストレスによるお腹の症状の予防とは・・・
 
 
ストレスによるお腹の症状の予防とは・・・
 
 
ストレスによる下痢や便秘の対応として、
プロバイオテクス効果のある
乳酸菌やビフィズス菌などを摂取するということを
前回お話しました。
 
 
今回はストレスによる
下痢や便秘などを予防する方法です。
 
 
 
腸を健康に保つ生活の工夫
 
 
便秘や下痢を予防するためには、
腸の健康を維持することが何より肝心です。
 
 
腸に良い生活習慣をご紹介します。
 
 
ストレスの解消
 
ストレスは腸の本来の動きを乱し、血液の流れを乱して
腸内の環境を悪化させるので、十分な睡眠や入浴など、
より自然な形で発散させる方法を工夫しましょう。
 
 
規則正しい排便
 
規則正しく排便することは、
規則正しく腸内細菌を入れ替え、腸内細菌叢の
バランスを保つことでもあります。
 
 
余計な菌の発生するチャンスを少なくするためにも
重要なので、毎日決まった時刻に排便するよう心がけましょう。
 
 
適度な運動
 
適度な運動は血液の循環をよくし、消化を助け、
ストレス解消にもなります。
 
 
週に1回プールで泳ぐ、買い物に行くときは急ぎ足で歩く、
階段を使うなど、自分に合った方法で、
できるだけ楽しく行なうことがポイントです。
 
 
 
酒、タバコを控える
 
お酒は1日お銚子半分くらいなら、
毎日飲んでもかまいません。
 
 
 
ビールなら小瓶1本くらい、
ワインならワイングラス2杯くらいです。
 
 
 
ワインには余計な菌の繁殖を防ぐ働きがある
という報告もされています。
 
 
しかし、それ以上の量は腸の健康のためにも
よくありません。
 
 
タバコはもちろん禁物です。
 
 
加齢と腸内環境のバランス
 
前回は乳酸菌の種類と効果についてお話しましたが、
年齢による善玉菌と悪玉菌のバランスが
どのようになるのか、みてみましょう。
 
 
 
お母さんの子宮の中には細菌がいないので、
胎児の腸内は無菌状態です。
 
 
しかし、生後、指をしゃぶったりお乳を飲んだりすることで、
 
口から入った細菌が24時間後には
 
またたく間に腸に住みつき始めます。
 
 
 
その際、善玉菌も悪玉菌も同時入ってきますが、
誕生後、最初に住みつくのは
悪玉菌の大腸菌やブドウ球菌です。
 
 
 
しかし、3・4日目になると善玉菌のビフィズス菌が
圧倒的に増えます。
 
 
そして、間もなくすると腸内細菌のバランスが
保たれた状態になり、新生児では
ビフィズス菌が腸内細菌の9割を占めています。
 
 
 
ビフィズス菌は離乳期から急激に減り始め、
乳児期になると10%程度に安定維持されます。
 
 
 
そしてウエルシュ菌などの悪玉菌が
ごく微量ですが増えてくるのです。
 
 
 
腸内細菌叢は加齢とともにどんどん変化し、
善玉菌と悪玉菌のバランスが逆転して、
60歳ぐらいになるとビフィズス菌は
1%程度にまで減少します。
 
 
 
便秘の対処法
 
 
便秘はすぐには治りません。
 
とくに、子どものときから常習的に悩んでいる
という場合はなおさらです。
 
 
食事の改善などによって3カ月から半年程度かけて
じっくり治していくのが最も良いでしょう。
 
 
 
すぐに便秘薬で、というのはあまり好ましくありません。
 
 
腸が最も活発に動いて、便を出し易いのは朝食の後です。
 
 
ですから、朝食を食べてしばらく時間をおいて
トイレに行くという余裕と習慣とが必要です。
 
 
 
 
腸の働きと肌の美しさ
 
綺麗になるかどうかは別にして、
善玉菌が多ければ、悪玉菌がつくる毒素も少なくなります。
 
 
 
毒素が少なければ、それが皮膚に与える悪影響も減る、
ということは考えられます
 
 
 
肌の健康を維持するためには
、腸の働きも無関係ではありません。
 
 
 
牛乳でお腹がゴロゴロするのは…
 
 
牛乳を飲む習慣が少なくなると、
牛乳に含まれている乳糖を
腸が分解する能力が落ちてきます。
 
 
 
このため乳糖が入ってきても分解、
吸収することができず、腸内の水分が増加し、
腸が早く動いてゴロゴロと鳴るという仕組みです。
 
 
病気などの心配はありません。
 
 
お腹の弱い方はぜひ参考して頂ければと思います^^