文章を書くことは一番の脳トレ!?
ボケ防止の軽い脳のトレーニングとして、
1桁の計算、複雑な指の運動、文章の朗読、
ジグソーパズル、塗り絵などが良いとされています。
脳は運動をすることと同じです。
毎日ゴロゴロしていると、骨や筋肉は衰え、
簡単な動作さえまったくできなくなってしまいます。
同様に、知力も脳に負荷を与えなければ
衰える一方なのです。
知力にもさまざまな能力があり、
使う脳の場所も異なります。
以前に脳には、前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉の
領域があることをお話しました。
この部分を使わない能力は育たず、
衰えていく。これは肉体も脳も同じです。
脳全体に負荷を与える脳トレは
いろいろありますが、その中でも
最もバランスが取れた、強力な脳トレがあります。
それは・・・「文章を書くこと」です。
文章を書くということは、
私たちが使う高度な脳の働きを
すべて総動員しなければなりません。
日記を書くことは、脳にとって、
とても良いトレーニングになるのです。
ちょっと面倒・・・という方もいるでしょう。
それでは長くなくても良いので、
日記を書くことを例に、脳の使い方を考えてみましょう。
日記を書く時に最初にすることは、
一日を思い起こして何を書こうかと考えることです。
このとき、その日の記憶を
大脳皮質(長期記憶)から引き出し、
右脳にイメージします。
右脳、左脳、前頭葉などを交互に使いながら、
書きたいことが絞り込めたら、
次に第1行目の言葉を探し、書き始めます。
左脳の言語中枢がフル回転を始めます。
この時、手書きかパソコンかにかかわらず、
指先を使う脳の運動野も使っているわけです。
文を書くためには、自分が思いついた言葉を
一時記憶する必要があります。
さらに、文法的に正しい文を書こうという意識が働き、
文章表現にも気を使いますから、
創造脳、実行脳ともいわれる前頭葉はフル回転をします。
日記を書いている途中でも、
イメージは右脳を頻繁に駆け巡るはずですし
言葉や体験を保存している記憶の引き出しは
絶えまなく使うことになります。
さらに、自分の書いた文章を読み返し(視覚中枢―言語中枢)、
推敲しながら必要に応じて文章を直し、
集中力を保ったまま収束に向かいます。
文章を書くことに喜びを感じるようになると、
人間の生きる原動力ともなる意欲脳が活性化し、
全脳をダイナミックに躍動させるでしょう。