コーヒーが脳にいいわけとは・・・
コーヒーが脳にいいわけとは・・・
前回はお茶が脳に効果があることをお話ししました。
今回はお茶と同様、ほぼ毎日食事の合間に飲んでいる、
コーヒーの脳に対する影響をみてみましょう。
コーヒーといえば、カフェインですね。
お茶にもカフェインがありますが、
お茶の場合、その中のタンニンが
このカフェインの作用を打ち消すため
コーヒーよりは穏やかになります。
カフェインの効能としては
眠気覚ましなどの興奮作用や
尿の排出を促す利尿作用などが
広く知られていますが、このほかにも
・自律神経の働きを高める
・集中力を高め作業能力を向上させる
・運動能力を向上させる など
様々な効果が明らかになっています。
カフェインは、摂取後、血流にのり
約30分で脳に到達します。
計算力や記憶力の向上、疲労の抑制、
運動能力の向上に役立つという研究がありますが、
これらはカフェインの作用と考えられています。
ということで、認知力の低下を防ぐ効果があり、
認知症の予防にも働くといわれています。
コーヒーに含むカフェインは、
アデノシンの代わりにアデノシン受容体に
結合する性質があります。
そのため、脳内にカフェインが多くなると、
アデノシンが受容体に結合できなくなり、
身体が疲れていても頭の回転が落ちず、
「脳が元気になった」
「エネルギーが溢れてきた」
と感じるのです。
しかしいわば「錯覚」と言える
コーヒーのこの効果は数時間で消えます。
フロリダ・アルツハイマー病リサーチセンターのチームが、
コーヒーが認知力に与える影響について
報告しています。
認知障害がある高齢のマウスに500mg、
人間であれば5杯のコーヒーに当たる
カフェインを加えた水を毎日与えたところ
、
2カ月後には記憶力や思考能力が改善し、
脳内のアミロイドβが50%減少、
認知症がない高齢マウスと比べても
遜色がない所まで回復したそうです。
たかがコーヒー、されどコーヒーですね・・・
脳を守るシステムとは・・・
脳を守るシステムとは・・・
脳を守るシステムとは・・・
前回に引き続いて、
脳を守るシステムをさらにみていきましょう!
私たちの脳に、簡単に薬や毒が
中に入ってしまっては困ります。
そのため、脳には,血液の中に
流れ込んできた薬(体から見れば異物)の
侵入を制限する,防壁(バリア)が備わっています.
このバリアは,脳のなかの細い血管を
形成している内皮細胞膜同士が
ぴったり接着したような構造をしています。
血液の中に流れ込んできた薬や異物が,
この細胞の隙間(すきま)を通り抜けて,
脳のなかに侵入することはできません。
したがって,このバリアは,
生体の情動をコントロールしている
脳の細胞を守るための役割を担っています。
これによって、有害な物質の侵入から
脳を守り、正常な状態を保つことが
できるようになっているのです。
すばらしいですよね。
さらに、脳のシステムが
素晴らしい点のもう一つが、
神経細胞同士のつながりの数は
継続的に増えているという点です。
いつまでも脳神経の「つながり」は増やせます。
もちろん、神経同士のつながりが
消滅するもの事実ですが、
消滅の数よりも、つながる数が
上回っているというのも事実です。
つまり、守りと攻めの両方のシステムを
脳は備えているのです。
この事実は、加齢に伴い、年齢が上がるほど
精神活動が向上することを証明してくれます。
つまり、何歳になろうと、
脳の機能は上げていくことができるのです。
そして大切なのが、
この向上する事実を期待していると、
それがそのまま結果として現れるのです。
いつまでも脳機能を上げることができる
と信じることは重要なファクターなのです。
もちろん酸素も大切です。
呼吸法や運動、栄養によって
脳の酸素の供給をコントロールすれば
活性酸素など、脳へのダメージを
与える要素をブロックできます。
確かに脳の肉体的、生理的発達は
おおよそ5歳までに完成します。
でもいくつになっても「つながり」は増え続けます。
いつまで脳機能のポテンシャルを信じ続け、
脳のつながりを増やし続けていきましょう!
脳に影響力のある酸素の働きとは・・・
脳に影響力のある酸素の働きとは・・・
私たちの脳に必要不可欠なのは、
酸素とブドウ糖ということは,周知のとおりです。
常に呼吸により、酸素を取り入れるような
人体の仕組みからも当たり前と思うわけです。
でもなぜそのような関係性を保っているのでしょうか?
脳の重さ.は、 男性 で1350~1400g、
女性 で1200~1250g。
これは 体重の約2%を占めています。
身体に取り込む酸素の量のうち、
その大半を2%の脳が消費するという事、
これには驚きます!
通常、私たちの呼吸は浅いといわれ、
深く呼吸をすることの重要性を、ヨガをはじめ、
いろいろなところでいわれていますね。
その時、背筋をまっすぐのばすことにより、
より多く酸素で満たされます。
このように、深い呼吸と、首の運動と、
真っ直ぐに伸ばした背筋は
いずれも血液と、酸素と、エネルギーが、
身体と脳の間を自由に行き来するのを
助ける働きがあります。
脳の機能を高め、集中力や
ポテンシャルが引き出され、
仕事の効率、アイデアが浮かびやすくなります。
ということで、仕事や学習の前に、
または、一日中必要に応じて、
目を閉じて、1~2分間の
深い深呼吸をすると良いでしょう。
ちなみに英語で「直感」を意味する
「inspired」という単語は、
「息を吸い込む」という
ラテン語の言葉からきているそうです。
深呼吸は理にかなっているのですね。
このように、脳にとって酸素が重要であるため、
もし人間が酸素の摂取量を
制限されるような事がある場合、
呼吸困難に落ちいった場合は、
酸素の脳への供給が減る前に、
身体の他のあらゆる部分への
供給が自動的に減ることが分かっています。
ほかの臓器を多少犠牲にしても
脳を守ろうと言う仕組みがあるのです。
つまり、
人類には常に脳を守る仕組みを備わっている
と言う事です。
記憶力とタンパク質の関係は・・・
記憶力とタンパク質の関係は・・・
私たちの記憶の形成には、
タンパク質が深くかかわっていています。
実験によると、短期記憶は主に
脳内での電気的な活動が関わっており、
長期記憶には主に、化学的なプロセスが加わり
タンパク質の加減が関与している
と考えられています。
また少し専門的になりますが、
研究者であるフラッド氏とヤービック氏は、
次のように報告しています。
タンパク質の合成や神経細胞において
信号の出力を担う軸索(axon)を通じての
伝達に関与する薬物は、長期記憶にのみ影響し、
一方、脳内の電気的な活動に関与する薬物は
短期記憶にのみ影響を与えるようだ・・・
と報告しています。
他にも長期記憶が化学的変化と関わりがある
とする見解を指示する実験結果はあります。
スウェーデンのイリテボリ大学、ホルガー・ハイドン博士は、
記憶を助けるものの正体を、実験で突き止めました。
彼は脳内で作られるタンパク質の量を決定するのに、
リボ核酸(RNA)が大きな役割を果たし、
脳の神経細胞内のリボ核酸が
タンパク質の分子を作り、記憶保存の
細胞がどう変化するかという実験をしています。
その例として、まず右利きのクマネズミに
左を使う事を教えます。
そしてクマネズミが左利きを
記憶したら、脳内を解剖します。
すると、リボ核酸の量が増えていることが
分かったのです。
今度はハツカネズミに新しい事を教え込み、
その後でタンパク質ができるのを
止める薬を与えてみるとそのハツカネズミは
教えられたことを忘れてしまう…
という結果が出たのです。
この実験から、
タンパク質とRNA、リボ核酸は
記憶にとって重要な役割を
果たしていることが分かりました。
ということで、
日々の食事の中で、できるだけ質の良いタンパク質を
取り入れていきましょう!
眠気がさすと頭が働かないのは・・・
眠気がさすと頭が働かないのは・・
眠くなると反応が遅くなることは
誰もが経験しています。
脳に入ってくる刺激は同じなのになぜ
そうなるのでしょうか?
人間の脳は、何もしていない安静状態でも、
複数の脳領域が常に同期しながら活動し、
脳全体でネットワークを形作っています。
研究によると、眠くなるとネットワークの情報伝達効率が
低下していることが分かったということです。
特に、「意識」との関連が深いとされる
前頭連合野・頭頂連合野で情報伝達効率が
低下していることも判明しました。
眠くなると素早く正確な情報の受け渡しが
できにくい状態になっていることを明らかになりました。
眠気とはまた違ったニュアンスですが、
良く催眠などでは変性意識状態、
いわゆるトランス状態に誘導しますが、
脳波をうまくコントロールするほど
うまく誘導することができるようです。
トランス状態とは・・・
精神医学的に簡潔にいうと
「脳内の感覚が幻覚や催眠を催している状態。」
をさします。
五感から入る、目に見えるものや臭いや音などに
意識を傾けずに、自分の心のあり方だけ
知ろうとしてみます。
つまり外観と内観の違い。
たとえば、桜を見て、とてもきれい!と感じたら、
それは外観ですね。
それを内観でみると、
今満開の桜を見られて幸せだと
うれしく思っている心の流れが見えだします。
内観が出来るようになったら、
心を対象としていた意識に対して、
意識しないようにします。
そして何も聞かない、何も見ないというように、
限り無く小さな最後の1かけらの意志も
消していきます。
つまり自分を限りなく「0」、すなわち「無」に近づけます。
すると、意識が体から上昇し、心の目が開きます。
すると、今自分に起きている状態、外からの信号、
それが自分にどう及んだか、などが見えてくると思います。
それが「トランス」です。
普段の一般的な活動をしているとき
意識的に動いている状態がベータ波から、
想像状態や、内側に意識を向けると、
トランス状態に入り、
その時、脳波はアルファ波状態を示します。
トランス状態がもっとも深まる時、
或いは夢を見てるような時、シータ波となり、
最も深い催眠状態の時、
脳波はデルタ波に変化すると言います。
アルファ、シータ、デルタ
と進むに従ってその深さを増すのです。
ウィニフレッド・ブレイク・ルーカス博士は、
脳波探知機を用い、実験・分析しています。
トランス状態で、
被験者たちが子供時代に退行しているときや
過去世を体験しているときの
脳波を測定したところ、アルファ、シータ、デルタの
三つのパターンの脳波を行き来しているようです。
、
最も多くの事を思い出すのは、
デルタ波の状態であると言う事が分かったそうです。
私たちは、こうした脳波の違いによって
様々な状態に導かれたりします。
脳波をコントロールすることで、
自分をいい状態にすることができる
ということですね・・・