アルツハイマーは25歳前から始まっている?!
昨日はアルツハイマーとは、
脳の中で何が起こっているか、簡単にお話しました。
アルツハイマー病は、1907年ドイツの精神科医、
A.アルツハイマー博士が初めて報告した病気です。
アルツハイマー型痴呆は、
脳の中に特殊な変化が起こって次第に脳が萎縮し、
ひどい痴呆になってしまう病気です。
早い人は40歳代後半に始まり、5年で重症化します。
糖尿病の人は
アルツハイマーになりやすいという結果がでています。
アルツハイマー病患者の脳では
タウタンパク質が繊維化して集まり、神経細胞死を招いています。
タウタンパク質はすばやく折りたたまれるために、
これまでその立体構造の観察が難しかったようです。
2009年ドイツのマックスプランク研究所が
立体構造の観察に成功しました。
■ アルツハイマー病が発症する過程
①アミロイドβというベータータンパクが増えます。
②ベータータンパクは「中性エンドペプチド(酵素)」
が分解します。
・患者は、この酵素量が少ない
③タウタンパクが増加する「脳脊髄液中で確認できる
④神経細胞死が起きる
・アルツハイマー病が発症する
■アルツハイマー病の症状
脳内で特殊なタンパク質異常が起こり、
脳内のニューロンが消失する痴呆症です。
1. 早い時期から診断可能
2. 進行すると家族の顔も分からなくなる
3. 40歳代からの発症があり、しかも進行が早い
4. 患者は、紙に立体図形が描けない
ごく初期から嗅覚に異常があらわれる。
■アルツハイマー病の進行度
1. 物忘れする:加齢による痴呆は、この段階で止まる。
2. 自分のことが出来ない。
3. 徘徊する。
4. 介護が必要な段階
■アルツハイマー病の発症過程
2つの現象が見つかっています。
① まず神経細胞の周辺で
「アミロイドベータ」(タンパク質)が蓄積し、
② 次いで、神経細胞内に「リン酸化」という
化学反応を受けたタンパク質が増加する。
■サルはアルツハイマーにならない
チンパンジーはアルツハイマー病に
かからないとされています。
チンパンジーの染色体数は、
ヒトより2本多い48本。
遺伝子配列の違いはわずかに1.23%。
アルツハイマー病の発症過程では、
2つの現象が見つかっています。
サルやチンパンジーでもアミロイドベータの蓄積を
観察した報告例がいくつもあります。
高齢のサルやチンパンジーは
記憶の能力が落ち、
脳機能の低下することはハッキリしています。
“高齢サルの脳も人と同様に、
シワが増え脳室(空洞部)が拡大するなどの
変化が起きています。
しかし、サルやチンパンジーで、
アルツハイマー病のように神経細胞の30~70%が死滅し
脳全体が萎縮するような現象は見つかっていません。
■女性に多い
物を置き忘れてしまう。
顔を見ても名前がなかなか思い出せない
50歳を過ぎるとこんなことがたびたび起きます。
こんな「ど忘れ」ではなく、
脳そのものが萎縮して発病するのがアルツハイマー病です。
原因は、脳で記憶を担当する海馬と、
情報の整理や論理的な思考を担当する
大脳新皮質の神経細胞の死です。
この結果、
記憶力の低下や方向感覚の喪失、
言葉やコミュニケーション能力の低下などの
症状が現れます。
海馬という重要な場所で神経細胞が減っていけば、
新しいことを記憶できなくなり、
日常生活に支障を来します。
アルツハイマー病は65歳以上で急激に発症しやすくなります。
この病気の患者数は、女性が男性の約2倍と多いようです。
次回はアルツハイマーと食との関係についてです。