大脳はどのようになっている?
脳は大きく「大脳」「小脳」「脳幹」の3つに分けられます。
その中でも、人間が物事を考えたり、
感じたり、言葉を話したり、記憶したりと
特に大きな役割を持っているのが大脳です。
勿論、小脳や脳幹もそれぞれ重要な役割を持っていますが、
他の動物と比較しても人間において特に発達しているのが大脳です。
人間は生物の中でも知能が特に発達した生物ですが、
それは大脳が発達しているからです。
まずは、大脳の構造そのものから見ていきましょう。
大脳皮質
大脳の表面部分を大脳皮質といいます。
大脳皮質はしわしわになっています。
脳のしわが多いと頭がいいなんて
世間ではよく言われていますが、
医学的には脳のしわと知能との関連性は
ないことがわかっています。
このしわは、深さや曲がり方に関しては
多少個人差はあるものの、しわの位置に関しては
個人差はなく完全に決まっています。
この大きなしわによって
「前頭葉」「頭頂葉」「側頭葉」「後頭葉」の
部位に分けられているわけですね。
大脳皮質は複雑な神経結合が構成されていて、
人間の思考などの中枢になっています。
大脳皮質の内側は白質と呼ばれ、
大脳皮質の神経と他の神経をつないでいます。
前頭葉はおもに人格、意欲、創造 性などを
になう部位です。
また側頭葉とともに耳から入った刺激から
言葉を理解したり、長期の記憶を保持します。
また、
脳の右側(右半球)は、直感力や感受性を支配。
脳の左側(左半球)は、言語理解、計算、分析力を支配。
各部位によって特定の役割がありますが、
これらは独立して機能しているわけではない、
といわれています。
大脳新皮質とは、
大脳の部位のうち「よりよく生きる」部位を指します。
いわゆる下等生物は小さく、高等生物は大きいとされています。
より人間らしく理性を持ち、人間性を高めながら、
人間関係を上手に築く為の脳、
社会の中で上手に生きようとする脳です。
この脳を発展させる事により人々は、
より良い社会を築いてきたのです。
しかし、動物の脳である大脳辺縁系に
ストレスが溜まってしまうと理性の脳である
大脳新皮質は氾濫を起こし、その為に社会と
上手に関わる事が出来なくなります。
より良く生き生きとした未来人生のためには、
大脳新皮質を上手に伸ばしてあげる必要があります。
大脳辺縁系
大脳の内側に位置している部分の総称です。
また、大脳皮質を含んで大脳辺縁系ということもあります。
大脳皮質で物事を考えているのに対し、
内側は、わかりやすく言うと本能の役割を担っています。
大脳の内側で発信される本能的な情報が、
大脳皮質で処理され、理性的な行動に
つながっていると考えられています。
大脳辺縁系の働きは、
好きか嫌いかを過去の記憶から判断し、
好きと判断した場合は意欲を起こし、
嫌いと判断した場合は、それを避けるための信号を発します。
そうした動物としての原初的な行動の
源となっている部位です。
そして、その信号を記憶し保存する機能があるため、
情動(トラウマ)の座ともいわれます。
まさにトラウマは大脳辺縁系に記録され、
無自覚のうちに私たちの心情や行動に
影響を与え続けているのです。
やる気を作り出しているのも大脳辺縁系です。
大脳辺縁系の中で、
海馬同様に重要な役目を果たしているのが、
脳の中心近くになる小さな器官“側坐核”です。
(辺縁系には含まれません)
これは“やる気の脳”とも呼ばれる部分で、
前頭連合野から「何かを始めよう」
という指令を受けると、側坐核が
扁桃体や海馬と相談しあいながら、
それが好きなことであるかどうかを判断し、
やる気を出すかどうかを決めています。
側坐核は直径約2.5mmの小さな核で、
前頭連合野と他の脳との接点となって、
前頭連合野の働きをコントロールしています。
大脳基底核
大脳と脳幹を結び付けている神経の総称です。
大脳基底核の役割は多彩で、運動の調整、
学習など様々な機能を持っています。