アルツハイマーを助長するものとは・・・
★ お酒に弱い人がアルツハイマー病に罹りやすい
国立長寿医療研究センターのグループは2003年1/29、
お酒に弱い人がアルツハイマー病に罹りやすい原因を解明した。
アルコールの分解過程で働く酵素が
脳に溜まる有害物質の解毒にも関わっており、
この酵素の働きが弱いと
神経細胞が死滅しやすくなると言う。
そこで注目されたのが、
体内でアルコール分解にかかわる『アルデヒド脱水素酵素2』。
この酵素の働きが弱いと
アルツハイマー病になる危険性が高まるという
疫学調査をもとに、酵素と細胞死の関係を調べた。
約2400人を対象に酵素の遺伝子タイプを分析。
酵素の働きが弱い人では、
アルツハイマー病患者の脳に溜まる
『4ヒドロキシノネナール』という有毒物質の
もとになる過酸化物質が多かった。
酵素が普通に働いている培養細胞に
この有毒物質を加えても大きな影響は無かったが、
酵素の働きが弱い人では、次々と細胞が死んだ。
酵素が有害物質も持つことを示す成果という。
この細胞死をビタミンEで抑制できることも確認した。
アルツハイマー病を予防・治療する手がかりを得たようだ。
この酵素は体の様々な細胞で働く。
成果は国際神経化学誌2月号に掲載された。
★ 糖尿病とアルツハイマー病
2010年、糖尿病とアルツハイマー病は
お互いに影響されあって発症を早めたり、
症状を悪化させることが、
大阪大学のチームがマウス実験で突き止めた。
2つの病気を発症したモデルマウスは
アルツハイマー病マウスより脳血管に
炎症が起きやすかった。
アミロイドβの量はアルツハイマー病マウスと
同じだったが、アミロイドβの脳血管への沈着が強く起きた。
糖尿病で増えるタンパク質(RAGE)も、
アルツハイマー病マウスの約2倍、
脳血管にたまり炎症も見られた。
糖尿病になるとアルツハイマー病を発症する
危険性が2倍以上になることは、
国内外の疫学研究から知られていた。
★ アルツハイマー病患者の脳は、糖尿病と同じ
2013年、九州大学の生体防御医学研究所は、
亡くなった人の脳を解剖した結果、
脳内の遺伝子が糖尿病と同じ状態に
変化することが判明した。
同研究所の中別府雄作教授によると、
血糖値を調節するインスリンが脳内で働く仕組みを解明し、
糖尿病状態から回復させる方法が分かれば、
アルツハイマー病の進行を防ぐことができる
可能性があるという。
中別府教授らのチームは、
福岡県久山町と協力し調査した結果、
糖尿病になるとアルツハイマー病発症率が
3~4倍に高まる点に着目した。
65歳以上の88人を解剖すると、
脳が萎縮するアルツハイマーを発症した人が26人いた。
さらに40人の脳の遺伝子解析にも成功。
アルツハイマー発症者は、糖代謝を制御する遺伝子や、
インスリンを作る遺伝子が激減し、
脳内が糖尿病状態になっていた。
また、糖尿病患者は脳内の代謝が悪いため、
神経細胞が死んでアルツハイマーの発症や進行の
危険因子になることも判明した。
以前は原因不明と言われていたアルツハイマーの
原因が解明されてきている。
運動と記憶を関連させて前頭葉を活発にすること、
これにより、脳の活性化を計りたいものです。
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