前回「感動する」ということについて
お話ししました。
ではいったいその「心」はどこにあるのでしょう?
「こころ」というと無意識に心臓のある部分、
胸を押さえることがありますね。
では心は胸すなわち心臓にあるのでしょうか?
「心臓」は私たちが生きていく上で
欠かせない大事な臓器の一つです。
ですが、この心臓を患っている人が即、
「心」または「精神」も患っているといえるでしょうか?
あるいは、心臓病の治療のために人工心臓を移植したら、
その人には「心」が無くなってしまうでしょうか?
他の人の心臓と入れ替えたら、
その別の人の「心」に変わってしまうのでしょうか?
そうではないことは自明でしょう。
確かに、「心臓」は「心」の有り様を大きく反映するものですが、
これは「情動」が「自律神経」に大きな影響を与え、
アドレナリンなどのホルモンを介して
即時に働くことによるのです。
「心」を各個人のアイデンティティーを表すものと捉えた場合に、
体の中で他の人のものに置き換えられない臓器として
「脳」が浮かび上がってきます。
そう、その人それぞれの「心」をつくりだしているのは、
実は「脳」なのです。
ということは、「心」も「体」の一部と考えることができます。
「脳」が損なわれる病気が
「心」を変えてしまうということもあります。
例えば、年々増えているアルツハイマー病という脳の病気は、
主に大脳皮質という脳の部分に存在している
神経細胞が失われていくことによって生じます。
そのことによって、呆けたり、人格が変わってしまうのです。
現在、脳研究者は「心は脳がつむぎ出すもの」と捉えています。
では心が感動する時、
脳ではどのようなことが起こっているのでしょう?
逆に言えば、脳がどのようになったときに、
感動がおこるのでしょう?
心の感動のメカニズムとは・・・
脳機能からみた感動するという現象は、
五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)
および運動感覚を介する外部からの刺激情報が、
大脳周辺部において美しい・気持ちが良い・
素晴らしいものとして評価されると、
前頭前野の高次脳機能の深い記憶(命の原始記憶・懐かしい思い出)が
呼び覚まされます。
それによって報酬系が刺激されて
ドーパミンやエンドルフィン等の
分泌がおこり脳機能全体が高揚する状態になります。
このドーパミンが分泌されると、
緊張がなくなり、安心した気持ちになれます。
通常の心の脳機能は、
入ってくる情報をこれまでの記憶や経験と照らし合わせて、
それが何であるかどんな意味があるかなどの評価を受けます。
例えば、五感による丸い、赤い、良い匂いがする
という情報と記憶情報から、
それがりんごであると判断されます。
同時に大脳皮質からの抑制を受けて
理性的な行動に修飾されるので、
直ぐおいしそうなたべものだからと飛びつくことはしません。
さらにその情報が、前頭前野の高次脳機能で
さらなる評価を受けいろいろ昔の思い出などが
浮かんで物思いに浸ることになります。
しかし、感動する場合は、
大脳皮質からの抑制をジャンプして、
直ぐに大脳周辺部の報酬系からの
ドーパミンのリリースに繋がる現象であるところから、
それがどんな意味があるのかを判断する以前に、
身体的な恍惚感に通じる高揚感が生じることになります。
このように「感動する」ということは
理屈を超えた感情であるところから、
期待してみた景色や経験からは感動が薄く、
思いがけないことが感動の大きな要素となります。
その報酬系の思いがけないサージである感動は、
性欲・食欲などの本能のレベルを超え、
より高度な高次脳機能の感性に作用して、
これまでの人生に関係する根源的な記憶を震わせるところから
脳に強いメモリーとして残り忘れられない思い出となります。
加えて、最近の脳研究で分かってきたことです。
前頭連合野の中の前頭前野46野。
人の脳は、52の部分から別れています。
特に46野は、記憶情報の統合判断や五感からの情報を統合し、
情報が何であるか判断するところです。
特に、集中力に関わっており、人の脳の良さは、
つまり、頭の良さに関わっているといいいます。
前頭連合野の中の前頭前野46野。
この脳部位は、3歳頃からの体験や学習で鍛えられ、
大人になって鍛錬しないと衰えていく場所でもあります。
44,45,46分野は、人の創造性に関わっています。
五感などの情報を統合し、情報が何で有るか瞬時に判断する。
何番目が何だったかなど、
視覚などの情報を前頭連合野46で判断します。
この判断力のスピードこそ、
人の頭の良さに繋がっていきます。
五感を鍛錬することで、脳が活性化します、
特に前頭連合野46部が活性化されることで、
頭の回転も速まり、頭の良い人になるのです。
つまり、判断力や記憶力の向上及び
創造性の能力アップなどにも繋がるのです。
さらに人を見分ける力、コミュニケーション力がつくので、
総合的にバランスの良い人になっていきます。
ですから、五感情報を出来る限り多く
子供の頃から取り入れ、さらにそれを継続することが、
衰えることなく社会的適応性が
持続できる大きな要因になります。
このように心の動き、感動などは
深層心理の中から人間本来の記憶が
突然に表出してくるものであり、
そのような感動や啓示を経験するためには、
それを受ける人間に高い感性が備わっていることが必要です。
生まれつき感受性の高い人もいますが、
日々五感を使って、心の感性を磨くこと、
高度な脳である前頭前野を鍛えることにより、
人間性豊かな人とのコミュニケーションを築き、
心の安定した状況を創造することができるようになります。
こちらの記憶術は五感をフルに使い、
イメージ力をアップし、
連想することにより、
その目標に到達できるものです。
http://kioku.or.jp
脳と心のつながりをいつも意識すること、
これがテーマです!
イメージ力・連想力が豊かになることにより
記憶が良くなるだけではなく、
明るく元気な日々を毎日
過ごせるようになることが、とても大切ですね^^
今日も一日が幸せでありますように・・・
…☆ 編集後記 ★…
今回、日本記憶術協会インストラクターコースを終了し
晴れて認定インストラクターになられた方々、
おめでとうございます!
そして頑張りました!
私のところの記憶術は誰でも簡単にできる^^
そして元気が出る!!
という記憶術です。
なので今回も本当に笑いが絶えない
トレーニング風景でした。
何かを身につける時、脳の仕組みからして
やはり楽しみながらやらないと
身につかないようになっていますね。
実際興味があることはスムーズに進むし、
時間も早いでしょう!
ですから何かを身につける時は、
つまらないと思うことは、楽しいと思えるように
自己コントロールしていくといいですね。
これには呼吸法などを利用することも
いいと思います。
これについてはまた別の機会で
お話ししたいと思います。
とにかく何事の楽しむ。。。という
子ども心・邪心がない心はいつでも
必要だな・・・と今回の方々をみていても
そう、思います。
それぞれが自分の道を迷うことなく
ワクワクしながら進んでほしい・・・
と陰ながらどんどん応援していきますね!!