短期記憶とは
前回、記憶のプロセスは『記銘・保持・想起・再生』の
4つの過程から構成される情報処理(情報の保持と再生)で
できていることをお話ししました。
最初の入り口が短期記憶です。
短期記憶は即時記憶と呼ぶこともあります。
また、短期の記憶の中で感覚刺激の後に
ごく短時間感覚した内容を保持する機能を
短期記憶から分けて感覚記憶として分類する
考え方もあります。
情報処理の過程で使われる短期記憶は
作業記憶(ワーキングメモリー)と呼ばれます。
外部からの情報を、視覚や聴覚などの
感覚器官自体での記憶する感覚記憶は、
イメージ力や右脳の能力にも通じるものがあります。
一度見たものを写真記憶のように覚えていられる人は、
記憶力も抜群ということです。
もともと狭い「記憶の入り口」を、
できるだけ広くするトレーニングを積むことによって、
記憶力を高めることができます。
これはワーキングメモリや海馬でも同様です。
狭い間口を広げることが、記憶力増強のポイントということです。
車窓からの風景を見ていると、
景色がどんどん流れていきますね。
その時にふと気になるものとか、印象深いものは
そこに注意が向きます。
すると、今度はワーキングメモリという
記憶領域が使われます。
ワーキングメモリとは、前頭前野で行われる記憶です。
作業記憶ともいわれるように、
何か必要な作業をしたあとは、
不要になるので忘れ去られるという特徴があります。
このワーキングメモリは、
一般に容量に限界があると考えられています。
短期記憶に関する容量限界という考えを
具体化したものとしては、Miller (1956)による
「マジカルナンバー7±2」 があります。
この論文によれば、数字や単語を記憶する場合、
人が記憶できる量は「チャンク」と呼ばれる塊りで表すと
7±2個の範囲に収まります。
その後の研究で、数字なら約7個、文字なら約6個、
単語なら約5個であることが分かってきました。
長い単語よりも短い単語の方が
たくさんおぼえられるという現象(語長効果)も、
それぞれの単語を記憶するのに必要な
ワーキングメモリ容量の違いによって説明されることがあります。
短期記憶に含まれる、第一段階の感覚記憶から
第二段階の作業記憶(ワーキングメモリー)も、
一度にたくさん覚えられないのです。
ですから、一度に覚えられる量を増やして、
間口を広げる訓練をすることが、
効果的な記憶術のトレーニングとなります。
間口の狭い短期記憶、そこで
何度も反復する必要があるわけです。
あるいは右脳を鍛えて、イメージや想像という
記憶術の手法が用いられます。
それは、「印象に残る」状態を作り、
車窓から何か興味のあるものを目にした時のように、
一気に長期記憶化できる可能性が高まるのです。
私たちがものを記憶する仕組みがわかると、
自分に足りなかったところがわかってきますね^^
脳を衰えさせず、いつも活性化している状態にしていきましょう!