記憶力と集中力を高めるθ(シータ)波を出すには
シータ波は集中力と記憶力が高まっている状態を表し、
アルファ波はリラックスしているときに発生します。
ベータ波は脳が活動しているときや、
イライラしているとき、マンネリ化して
飽きてきたときなどに発生します。
つまり効率的で質の高い勉強方法をしていくには、
いかにしてベータ波にならずに、
アルファ波やシータ波に持っていくか
ということがポイントです。
①「初めてのこと」に遭遇すると、海馬は自然とシータ波を発生させます。
「初めて」ではなくても、勉強に興味や好奇心を
そそぐことによって、同じようにシータ波を
発生させることができます。
「好きこそものの上手なれ」という諺があります。
勉強に興味をもって、自分から進んで
取り組んでいるときはシータ波が発生するので、
復習の回数が少なくても長期記憶に定着しやすくなります。
②基本をしっかり身につけて、中身を理解すること。
段階を踏んで進めていくことで、
内容が理解できどんどん進んでいくので
勉強が面白くなってきます。
これこそシータ波を発生させる王道と言えます。
③学ぶことを何か趣味と結びつけたり、
ご褒美をもうけたりすると効果的です。
英語だったら、好きな英語の歌を聴いたり、
字幕なしで好きな映画を観たりというように、
趣味と連結させていくわけです。
また時間や内容を区切って、
ここまで頑張ったら、好きなお菓子を食べられるとか、
好きなDVDを観るというように自分で報酬を設定すれば、
勉強に集中でき、シータ波が発生します。
この報酬を設定することによるシータ波の発生は、
以前にもお話しした脳の中の報酬系に関係があります。
報酬系とは、脳において、欲求が満たされたとき、
あるいは満たされることが分かったときに活性化し、
快感の感覚を与える神経系のことです。
報酬系は中脳の腹側被蓋野から
大脳皮質に投射するドーパミン神経系
(別名A10神経系)であると言われています。
報酬系の働きは、学習や環境への適応において
重要な役割を果たしています。
長期的な報酬を予測することで、
疲労や空腹といった短期的欲求を抑えて
勉強や仕事を優先できるようになります。
また、報酬系神経系の働きが、
大脳皮質の可塑性に影響するという報告もあり、
学習においても同様に報酬系が重要である。
「誉めて育てる」という言葉はこのことを表現しているのでしょう。
④ほめてあげることでシータ波が発生し、
それが勉強のやる気へとつながっていきます。
自分で自分をほめるには、必ず達成できるノルマを決め、
それを成し遂げて達成感を味わうことで代用できます。
できるだけ目標を数値化することで、
やりきったときに達成感が高まります。
⑤合間に短い休憩時間を設定することで、
それが報酬(前述)になってやるべきことや
勉強を頑張れますし、休憩することで
シータ波が復活します。
それが、次の勉強へのモチベーションとなります。
だらだら行なっていると、どうしても単調になり、
疲れてきて集中力が低下してきます。
脳波がシータ波からベータ波へと移行してしまうのです。
そうなると、記憶力も下がってきて、
効率よく頭に入らなくなります。
そういったときは長くても1時間ずつ勉強を区切り、
適度な休憩をはさみながら学習していくことです。
要は「リズム」をつくれば、単調にならずに、
つねに海馬からシータ波を発生させられるわけです。
⑥運動は、記憶力をアップさせるための、
もっとも簡単な方法です。
運動することによって、海馬が刺激され、
シータ波が発生して、集中力や記憶力、
やる気が高まるということです。
勉強に運動を上手に組み入れていきましょう。