短期記憶から長期記憶に固定化されるメカニズムとは?!
記憶には大きく分けて、
短期記憶と長期記憶があります。
日々の生活の中の体験が記憶になる
エピソード記憶や、
学習したものを覚える記憶形成、
そしてそれを思い出す仕組みの
記憶想起には、
海馬が重要な働きを持っています。
この記憶を忘れないように
大脳新皮質に転送されることで、
長期記憶として残っていきます。
この転送する仕組み・
メカニズムの詳細が、
今回理化学研究所(理研)により
研究発表されました。
以下がその参考資料です。
▼ ▼ ▼
脳内で短期的な記憶が
長期的な記憶に変わって
固定化される過程を明らかにしたと、
米マサチューセッツ工科大(MIT)の
利根川進教授と北村貴司研究員らが
7日付の米科学誌サイエンスに発表する。
研究チームは、
箱の中に入れたマウスに電気刺激を与えた後、
マウスがそれを思い出して身をすくめる際に、
脳内で記憶を担う神経細胞が
どのように働いているかを観察した。
その結果、
電気刺激の記憶は海馬(かいば)と
大脳皮質の両方に作られるが、
大脳皮質の記憶細胞は最初は未成熟で、
海馬から信号を受けるなどして
10日後までに成熟することがわかった。
2週間後以降は、
海馬の記憶細胞は働かなくなり、
代わりに大脳皮質の記憶細胞だけが
働くようになった。
北村研究員は
「記憶の仕組みを
細胞レベルで解明することで、
将来的には人間の記憶障害などの
改善につなげたい」と話している。
(読売新聞2017年4月7日)
▲ ▲ ▲
理化学研究所の解説を見ますと、
記憶痕跡、
ヒトや動物の脳内に
蓄えられていると仮定されている
記憶の痕跡を「エングラム」と
言われています。
学習時に海馬において
エングラム細胞は最初に形成され、
さらに引き続き学習中に、
「海馬のエングラム細胞」は、
扁桃体の細胞とともに、
「前頭前皮質のエングラム細胞」を
生成するようです。
記憶を思い出す、
学習後1日の記憶想起には、
「海馬のエングラム細胞」が
重要な役割を果たしているのが、
学習後約2週間が経過すると、
「海馬のエングラム細胞」は
実際の記憶の想起には
活動しなくなる代わりに、
「前頭前皮質のエングラム細胞」は、
時間経過とともに、
樹状突起を増加させ、
前頭前野での
神経細胞同士のつながりを強化し、
その結果、
実際の記憶想起に活発に働き、
不可欠になるようです。
このことからも
認知症にならないために、
この前頭前野の脳の領域を
活発に維持することが
大事だということが理解できます。
今後の記憶に対する
さらなる研究が期待されますね。
今日一日みなさまが幸せでありますように・・・
■ ■ ■ 編集後記 ■ ■ ■
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