睡眠は記憶定着だけでなく心も癒す？！
記憶の定着には、
睡眠のノンレム睡眠と
レム睡眠が深く関わっています。
ノンレム睡眠とレム睡眠は
約90分かけて入れ替わり、
これを一晩で約4～5回繰り返します。
これで計算すると、
６時間～７時間半の
睡眠時間になります。
以前にもお話した通り、
ノンレム睡眠は、
脳を休める睡眠で、
レム睡眠は、
身体を休める睡眠です
浅いノンレム睡眠のときでは、
自転車の乗り方や、水泳など、
「手順記憶」を定着します。
また、記憶を関連づけて、
結合する働きもあります。
深いノンレム睡眠のときは、
いやな記憶を抹消していきます。
レム睡眠時には、
「エピソード記憶」といって、
その日に経験する
日記のような事柄が定着されます。
また「意味記憶」や
今までに記憶したことの関連づけ、
記憶を思い出せるようにする
働きがあるのです。
このように睡眠は記憶の定着には
欠かすことのできないものですが、
この睡眠によって
心が癒されるということもわかっています。
以下は、その研究内容です。
▼ ▼ ▼
カリフォルニア大学バークレー校の
神経科学者マシュー・ウォーカー氏が
率いる研究チームは、
心身ともに健全な34人のボランティアを募り
実験を行いました。
実験では被験者を2つのグループに分けて、
全員に150枚の写真を見せながら
脳の活動をMRIでスキャンします。
12時間の間隔を空けて、
同じ写真を2回見てもらいました。
写真は日常的なものから、
人の目を覆いたくなるような光景まで、
人間の感情を刺激する様々なものです。
1つのグループは午前中に写真を見て、
睡眠を挟まずその日の夜に
再度同じ写真を見てもらいます。
もう1つのグループは
夜に同じ写真を見てから一晩眠り、
次の日の朝に
再度同じ写真を見てもらいます。
その結果、
睡眠をとったグループの方が、
2回目に写真を見たときの感情の反応が
軽いという結果になりました。
睡眠中にMRIで脳をスキャンしたところ、
感情を司る扁桃体の反応性が大きく減少し、
理性的な行動を司っている前頭前皮質の働きが
活発になっていることがわかりました。
これは、扁桃体の活動低下により、
合理的な判断をする前頭前皮質が
写真の影響を和らげたと考えられます。
つまり、睡眠によって、
感情的な行動が抑えられ、
理性的に行動できたということになります。
―nounow 2016.10.19―
▲ ▲ ▲
脳のストレスには
「ノルエピネフリン」という
神経伝達物質が関与しています。
これが、レム睡眠時に減少することで、
ストレスや神経が休まる状態になり、
目覚めたときに
感情が穏やかになった感じがするのです。
メンタルが傷ついたときは、
睡眠をしっかりとっていくことで、
記憶定着のみならず、
心の安定を図ることができそうですね。
今日一日みなさまが幸せでありますように・・・
■ ■ ■ 編集後記 ■ ■ ■
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