恐怖体験と記憶の関係とは・・・
私たちは、
日常生活中で嫌な体験、嬉しい体験など、
経験による記憶を重ねていきます。
こうなったらいのになぁ・・・
と思うことが
なかなか現実にならなかったりすると、
どうせまたダメなんじゃないか、
出来ないんじゃないか、
など否定的になったりしがちです。
これは自分の経験によって、
思い癖として
現実に呼び込んでしまうのかもしれません。
怖い経験も同じように、
何度か同じような状況下で怖い目に遭うと、
またそうなるんじゃないか、
という思いが
わき上がってきてしまいます。
二度あることは三度ある・・・
というように、
不安がかき立てられ、
何度も繰り返して起きてしまうように。
こういう時の脳の状態は
どうなっているのでしょう・・・
理化学研究所
脳科学総合研究センター
記憶神経回路研究チーム
ジョシュア・ジョハンセン
チームリーダーらの研究グループにより、
「記憶の手がかりとなる
情報に生じた曖昧さが、
脳内の扁桃体で計算され
蓄積されることで、
動物の行動に反映される」
と5月23日付けの英国科学誌
「Nature Neuroscience」
オンライン版に掲載されました。
以下その内容の記事です。
▼ ▼ ▼
ある状況で楽しい体験や
嫌な体験をすることが
繰り返されると、
その体験は
出来事が起こったときの状況と
強く結び付いて記憶される。
我々は同じ状況に再度遭遇すると、
本能的な情動記憶によって
起こりうる結果を予測し
対応しようとするが、
現実には、
同じような状況に遭遇しているのに
予測した結果が起こらないこともありえる。
これを「随伴性の低下」というが、
随伴性の低下によって
記憶の手がかりとなる情報が
曖昧になるとき、
その情報が
脳内でどのように計算・蓄積されて
一度形成された
強い記憶の結び付きを弱めるのか、
そのメカニズムは不明となっていた。
同研究グループは、
まずラットを箱Aに入れ、
ある特定の高さの音と同時に、
ラットにとって嫌な刺激である
電気ショックを脚に与えることを
繰り返す実験を行った。
翌日、
ラットに別な箱Bで音のみを与えると、
ラットは音と連合した
嫌な体験を思い出して
「すくみ反応」を示した。
しかし、
音と電気ショックを同時に与えた直後に、
音を与えずに
電気ショックのみを繰り返し与えて
随伴性を低下させると、
翌日ラットは音に対して
すくみ反応を示さなかった。
しかし、
同ラットは、
はじめの箱Aで
嫌な体験をした記憶は形成しており、
箱Aに入れられると
随伴性を低下させない対照群と
同程度にすくんだという。
これは、
音の情報が曖昧になることによる記憶の低下は、
箱という別な手がかりの記憶と
競合した結果ではないことを示しているといえる。
さらに、
同研究グループは、
光遺伝学、電気生理学、
および数理モデルを用いた解析によって、
情報の曖昧さは脳内の扁桃体で計算され
蓄積されることを明らかにしている。
—マイナビニュース 2016/05/24—
▲ ▲ ▲
「扁桃体(へんとうたい)」で
情報の曖昧さが計算・蓄積される」
とういうことが明らかになったわけですが、
この扁桃体は大脳辺縁系の一部です。
大脳辺縁系のうち
海馬は主に記憶に関係し、
扁桃体は情動に関係するということで
大きく分けられますが、
記憶のうちでも
情動と強く関連した記憶には
扁桃体が重要な役割を果たしています。
このことにより
感情が強く働いた時には、
扁桃体が刺激されることで、
隣にある記憶する脳である海馬が刺激を受けて、
記憶が強く残るということになります。
記憶術では
この脳のメカニズムを取り入れて
記憶力アップすることができるのです。
五感を働かせ、
イメージを働かせて、
強く感情を刺激することで
扁桃体に働きかけて記憶させています。
今回の研究からも
大脳辺縁系の中の海馬はもちろんのこと、
扁桃体のもつ働きの大きさを
感じますね。
記憶力アップに
さらに扁桃体の働きを
活用すると良いでしょう!
今日一日皆さまが幸せでありますように・・・
■ ■ ■ 編集後記 ■ ■ ■
【記憶力アップしたい方へ】
★ 6月度 記憶術体験レッスンの日程は
■ 6月7日(火) 13:00~14:30
■ 6月13日(月) 19:30~21:00
■ 6月16日(木) 13:00~14:30
■ 6月19日(日) 18:30~20:00
■ 6月23日(木) 19:30~21:00
お申しみはこちら
https://ssl.ac/kioku.or.jp/mail/form4.html
【2日間集中講座】
① 6月25日(土) 9:00〜15:30(前半)
② 6月26日(日) 13:00〜18:00 (後半)
お申し込みはこちら