睡眠不足で記憶力が落ちる
「寝る子は育つ」と昔から良く言われていますが、
子どもの成長のために睡眠は大切です。
現代では、
日々受験勉強や習い事などで時間に追われ、
睡眠不足になっている子どもたちが多くみられます。
心理学系の研究者たちによると、
睡眠時間の短い子どもは、
睡眠が足りている子どもに比べて
学業成績が低いそうです。
以前のメルマガに書かせて頂いたように、
私たちの脳は寝ている間に記憶の整理をしています。
90分間隔のレム睡眠・ノンレム睡眠があるわけですが、
このレム睡眠で記憶を確立させているわけです。
学習には記憶が書かせないわけですが、
記憶は脳の中心部にある
「海馬」で処理されています。
子どもの睡眠と海馬の成長の関係について調べると
睡眠時間が少ない子は睡眠時間が長い子よりも
海馬の成長が芳しくなく、体積が小さいことが
分かりました。
海馬とは、脳の左右に分かれている部分
(側頭葉)の中心部の両側にあります。
ギリシャ神話の海神ポセイドンが駆る
馬車を引く半馬半魚の想像上の動物や、
タツノオトシゴを横にしたような姿に
その形が似ているので、「海馬」と
名付けられました。
海馬の働きには、
短期記憶と長期記憶の処理があります。
短期記憶とは数十秒程度の新しい記憶で、
長期記憶とは数年以上覚えている記憶のことです。
そのうちの、勉強や仕事などの言葉や
視覚で覚える記憶を海馬が担当しているのです。
以下が海馬の大きさと睡眠との関係の記事です。
▼ ▼ ▼
東北大学東北メディカル・メガバンク機構で
脳画像解析学が専門の瀧靖之教授らは、
5歳から18歳までの健康な子ども290人
(男女比は半々)の生活アンケートを取り、
頭部MRI画像で脳の形態を調べた。
結果は、平日の睡眠時間が
5~6時間ぐらいの子どもよりも、
9~10時間ぐらいの子どもの方が、
海馬が1割程度大きかった。
同様に、
睡眠時無呼吸症候群のような
睡眠の質が低い病気、ストレスやうつ病、
アルツハイマー病などの患者は、
海馬の体積が小さい。
海馬の大きさは記憶力に影響し、
大きい方が記憶力が高い。
例えば、
世界一テストが難しいとも言われる
ロンドンのタクシー運転手。
彼らの海馬は一般人に比べて
体積が大きいと言われる。
また、以前に
てんかん患者に対する治療として行われていた、
海馬を取る手術。
海馬を摘出すると、記憶障害が起きる。
知能指数に問題がないのに
新しいことを記憶できなくなる。
それだけでなく、
過去数年分の記憶もなくなるという。
幸いなことに、
全部摘出した場合などを除き、
海馬の神経細胞は再生する。
その反対で、睡眠時間が少なかったり
睡眠の質が低かったりすると、
海馬の神経細胞の再生が少なくなり
体積は小さくなる。
海馬を大きくする、
あるいは大きさを保つためには、
良質な睡眠が必要ということである。
▲ ▲ ▲
脳は6歳から12歳ぐらいまでの間、
盛んに成長し、特に10歳前後が最も成長します。
12歳を過ぎたからといって
睡眠不足で良いというわけではありませんが
特に小学生の子どもが十分な睡眠を
とれるようにすることは、とても大事なことです。
親の立場からみれば
我が子が勉強や習い事に勤しむ姿は、
微笑ましく安心するかもしませんが、
それが原因で睡眠不足を起こし、
子どもの記憶力低下を招いてしまうとしたら、
とても残念です。
睡眠時間の確保で期待できるのは
成績アップだけではありません。
睡眠時間をきちんと確保することは
アルツハイマー病やうつ病などの、
海馬が小さくなる病気に、
かかりにくくなります。
睡眠時間をきちんと作るまたに、
生活のリズムを考えることが大事ですね。
今日一日みなさまが幸せでありますように・・・
■■■ 編集後記 ■■■
【記憶力アップしたい方へ】
★11月度 記憶術体験レッスンの日程は
■ 11月11日(水)13:00〜14:30
■ 11月15日(水)18:30〜20:00
■ 11月17日(金)13:00〜14:30
■ 11月22日(日)17:00〜18:30
■ 11月28日(土)10:30〜12:00
お申しみはこちら
https://ssl.ac/kioku.or.jp/mail/form4.html
【2日間集中講座】
① 11月21日(土) 9:30〜15:30(前半)
② 11月22日(日)10:00〜16:00 (後半)
お申し込みはこちら