バロック音楽は記憶力が高まる
「クラシック音楽を聴きながら勉強すると、効率よく学習が進む」
という話を聞いたことのある人は多いと思います。
でも、ひとことで「クラシック音楽」と言っても、
実に幅広い音楽があります。
数あるクラシック音楽の中で、
どんな曲が学習効率をアップさせてくれるのでしょうか?
■ゆっくりした曲が記憶力を高める
クラシック音楽には、
グレゴリオ聖歌などの楽譜を持たない伝承的な音楽から、
バロック・古典派・ロマン派・国民楽派
印象主義・新古典派、そして近現代の音楽と、
その時代と音楽の様式によって、さまざまな形態があります。
その中でもバロック音楽は「超記憶音楽」とも呼ばれ
記憶力アップに効果があることが知られています。
では、バロック音楽のどんな点が
「記憶力アップ」につながっているのでしょうか?
そのポイントは・・・
楽曲のもつゆっくりとしたテンポ。
ひとことでバロック音楽と言っても、
テンポの速いものからゆったりとしたものまで
様々な曲がありますが、
記憶力アップを狙いたいなら、
1分間に60~64拍程度のテンポの曲が最適です。
バッハの「G線上のアリア」や
パッヘルベルの「カノン」などはテンポも曲調も、
その条件に当てはまっているのでおススメです。
ゆったりとしたバロック音楽には
気持ちをリラックスさせる効果がありますが、
さらに時間の流れを通常よりも
長く感じさせる効果があるようです。
そのため、あくせくと焦らず、
落ち着いた気持ちをもって学習に取り組むことができ、
結果として記憶力アップへとつながっているのです。
■クラシック音楽が持つ効果
記憶力アップには
ゆったりめのバロック音楽が効果的ですが、
他にも様々な様式のクラシック音楽があります。
その効果はいかに?
軽快な気分を演出してくれるのは、
やはりモーツァルト。
「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」などは
勉強に向いているとも言われています。
また、ベートーヴェンやブラームス、
チャイコフスキーなどのスケール感の大きい音楽は、
積極的な気持ちに向かわせてくれる効果があるようです。
しかし、
交響曲などのあまり壮大な音楽はBGMに向かないので、
わずかに聞こえる程度の音量にしておくのがおススメです。
いずれの楽曲も心理的作用は見込めますが、
うっかり音楽を聞きすぎてしまうと
学習効果は減退してしまいます。
また、もともとクラシック音楽を愛好する人にとっては、
勉強しながら音楽を聴くなんて、ちょっと難しい話かも……。
「ながら」は無理!という方は、
勉強前に聞くなどタイミングを工夫するのが良さそうです。
集中力アップに効果発揮はモーツァルト!
集中力アップで仕事/勉強効率を上げたいなら
「モーツアルト」を聞くことをおススメします。
と言うのも、ある研究で、
モーツアルトの音楽が集中力をアップさせるには
一番適していることが証明されたからです。
京都大学とハーバード大学の共同研究によれば、
モーツアルト作曲のメヌエットを聴くと、
年齢に関係なく集中力を高め、能率が高まるとのこと。
実験では、8歳から9歳までの25人と、
65歳から75歳までの25人に
ストループテストの一種をしてもらいました。
ストループテストと言うのは、
認知機能を検査するために使われる有名なテストで、
書かれている言葉の色を認識するテストです。
例えば、画面に「赤」という言葉が
青色で書かれているとします。.
回答者はその色に紛らわせられずに
「赤」と答えなければいけません。
このテストを3回繰り替えして行われました。
1回目は、
モーツアルトのメヌエットをBGMとして流します。
2回目は、
同曲のリズムを変え、不協和音を混ぜ編曲した音楽を、
3回目には音楽無しで行いました。
すると、
どちらの年齢層グループもまったく同じ結果が確認されたのです。
モーツアルトのオリジナル曲を聴きながら
テストを行った際は、反応速度が最も早く、
間違いも少なかったそうです。
編曲された音楽が流れると、
反応速度が著しく低下、間違いも増えたとか。
学者によると、
人間の脳はそもそも不調和の音楽が嫌いだということ。
モーツアルトの音楽は、
非常に調和のとれた流れるようなメロディーを持ち、
そういった音楽は認知能力に
大きな影響を及ぼすことを示しています。
さらに、
これは調和のとれたメロディーが
集中力を高める助けとなっていることも示唆しています。
モーツアルトの音楽を聴くと、
頭が良くなる、胎教に良い、はたまた植物が早く育つ
などそのさまざまな効果が報告されています。
「モーツアルト効果」と言う言葉があるくらいですから、
ぜひBGMにモーツアルトを選んで
効果が確認できるか試してみてはいかがですか。
今日一日みなさまが幸せでありますように・・・