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落書きと脳との関係は・・・

落書きと脳との関係は・・・
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落書きと脳との関係は・・・

 

これまで時間の無駄だと考えられてきた
ノートなどへの 「落書き」 が、新たに関心を集めています。

学校でも職場でもよくあることですね。

学校でしたら、つまらないなぁ~、という
授業時間に思わず余白に自分の手が思うままに書き出す
落書きというもの。

 

仕事でしたら、

ミーティングに集中出来ないときの落書き、等々。

 

今まで経験したことはない・・・
という人はいないくらいの落書きですが、

これが神経科学と心理学、それに

デザイン分野にまたがる最近の研究で、

落書きは人が集中力を維持したり、

新たなひらめきを得たり、

情報を記憶したりするための一助に

なることが分かってきました。

 

白いページは脳にとって体の外に拡張された
活動の場にもなります。

人はそこで創造的な思考やアイデアを見直し、
磨きをかけることができるということです。

 

以下その研究結果の情報です。

▼     ▼   ▼

落書きは自然に出てくるものだ。

抽象的なパターンやデザイン、
モノや風景、人や顔のイメージなど、
さまざまな形をとる。

 

言葉や文字をなぞって落書きする人もいるが、
メモを取る作業は落書きには含まれない。

 

米テキサス州オースティン在住で
「The Doodle Revolution(仮訳:落書き革命)」の著者
スンニ・ブラウンさんは

「これは思考の手段であり、私たちの情報処理方法や
問題解決方法に影響を与える」と話す。

■ 論文テーマを思いつく 

マサチューセッツ州サウスボローの高校教師で
大学院生でもあるサマンサ・ウィルソンさんにとって、
会議中や講義中の落書きは
緊張を和らげるのに役立つ。

 

「植物のように渦を巻く有機的な」曲線の図柄を、
赤や青のペンで影をつけたりしながら描く。

退屈しのぎにもなる、とウィルソンさんは言う。

 サマンサ・ウィルソンさんの落書き Samantha Wilson 

 

「落書きをしているときの私は
上の空のように見えるだろうが、実際は
考えをまとめていたり、自分のアイデアを固めたりしている」と言う。

 

最近は、落書きのおかげで
大学院の履修科目の論文テーマを思いついた。

 

過去の科学者たちは、

落書きはその人の心理を知る手がかりになると考えたが、
英医学誌「ランセット」に2011年に掲載された研究によると、
その考えは裏付けがとれていない。

 

ランセットに掲載された研究によると、
一部の研究者は
「デフォルト・ネットワーク」 ―外部からの刺激がない場合に

大脳皮質の基本的な活動を維持する領域 ―を
連動させておくことによって、落書きが

脳の活発な働きを維持する助けとなっている可能性がある

と考えている。

 

2009年に実施された応用心理学の研究によると、
人の名前のリストが読み上げられている間、
落書きをするよう促されたグループは、
その後実施された抜き打ちのクイズで、
そうでないグループより29%多く情報を思い出すことができた。

 

ニューヨーク市立大学大学院センターの
著名な哲学教授、ジェシー・プリンツ博士は

講演や演説などを聞く際は、
意識を集中させるために人の頭と顔を描く。

 

そこではたいてい何かが起きていて、
「頭の上に動物がいたり、何かが出てきたりしている」。

 

■ 絵はがきのような効果 

プリンツ博士がその落書きを後で振り返ると、
講演で「聞いたことの多くを再現することができる」
と言う。

 

博士はそれを「絵はがき」になぞらえる。

旅行者は旅の詳細を忘れるかもしれないが、
「絵はがきを見れば、
そこには描かれていないものの多くがよみがえる」と話す。

 

著者のブラウンさんは、一部の人にとっては
落書きが学習のための代替手段になると指摘する。

 

ブラウンさんは、ひらめきの力や
コミュニケーション能力を高めるため、
自身の考えや構想をスケッチや絵にしてみるという
研修を企業の管理職向けに行っている。

 マルヤマ・ミチコさんの落書き Michiko Maruyama 

 

カナダ・バンクーバーの
ブリティッシュ・コロンビア大学で医学部に通う
マルヤマ・ミチコさんは、
授業を受けている最中にキーワードを書きとめ、
その後「その日の落書き」を描いて学習した内容をまとめる。

 

胃液分泌やヘルニアなど
授業で学習した内容の絵を描きながら、
理解していないところの不足を補うのだという。

 

「落書きをして初めて、全体像を考える。

自分が何を理解し、何を理解していないかがわかる」

 

イスラエル・ハイファにある
イスラエル工科大学で建築を教える
ガブリエラ・ゴールドシュミット名誉教授による
2014年の研究によると、

落書きの見た目がアイデアに磨きをかけることもある。

 

教授は設計技術の学習に関する研究者でもある。

教授の研究によると、

落書きが「思考する頭と、鉛筆を持つ手、
さらに紙に書かれた落書きを見ている目の間の
相互のやりとり」を活発にさせるという。

 

略 ・・・・

 

■ 落書きが有効でない状況とは 

落書きは、すべての活動で有効なわけではない。

ブリティッシュ・コロンビア大学が
2012年に発表した研究によると、

まとまった数の画像を見て
覚える課題を与えられた人が、
同時に落書きをするように言われると、
覚えるのに苦労したことが分かった。

 

この研究の著者で同大学の心理学の元学生、
エレイン・チャンさんは、
視覚を使う2つの課題が与えられ、
視覚処理能力が二分されたことが理由ではないかと
指摘する。

 

別の言い方をすれば、落書きと別の活動が
同じ認知経路を使うものであれば、
「交通渋滞が起こる」とブラウンさんは言う。

 

このように自然に落書きをしている場合は、
集中力を維持したり、新たなひらめきを得たり、
情報を記憶したりしている状態、

または、

大脳皮質の基本的な活動を維持する領域――を
連動させておいている状態、

つまり脳の活発な働きを維持する
助けとなっている可能性があるということです。

 

ということで、アイディアが欲しい時、
脳を活発にしておくために、落書きをすることも
大事かもしれませんね。

日常に取り入れてみましょう!

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