深い呼吸が自律神経を整える!
前回、自律神経の一つである
副交感神経を活発にしていく日常でできる
改善方法をお話ししました。
さらにそれと関連して、
この自律神経の中で、唯一コントロールできる
「呼吸法」についてみていきましょう!
深い呼吸が自律神経を整える
緊張状態にある時、
心を鎮めるために深呼吸が効果的であることは
よく知られています。
なぜ、呼吸を深くすると
心が落ち着くのでしょうか。
そのカギは、自律神経のバランス調整にあります。
自律神経は私達の意志とは関わりなく、
身体機能を健全に保つために働いています。
胃や腸、あるいは心臓が休みなく
動いているのも自律神経が機能しているためです。
自律神経とは、
私達が意識してコントロールする事は出来ません。
しかし、自律神経はとても繊細で
ストレスなどによってダメージを受けやすいため、
ちょっとしたストレスや疲れなどが原因で
自律神経のバランスを崩してしまうこともあります。
そんな自律神経の中でも
唯一私達がコントロールする事ができるのは呼吸です。
呼吸を意識しながらコントロールする事によって、
交感神経や副交感神経などの自律神経を
正常で健康な状態へと戻してあげる事が
可能になります。
交感神経は胸式呼吸で
呼吸法は、
大別すると胸式と腹式になります。
私たちはふだん胸式呼吸をしていますが、
とかく呼吸が浅く、短いものになりがちです。
しかし、この短い胸式呼吸は交感神経を刺激し、
これに疲労や心の動揺、怒りなどが加わると
呼吸はさらに浅く激しくなって
より交感神経が働くようになります。
短い胸式呼吸では吸い込んだ空気は
肺の中にまで到達せず吐き出されるため、
肺には炭酸ガスなど不要なものが溜まります。
この状態が長く続くと、
血液循環が低下したり、自律神経失調症を
招くことになります。
副交感神経は腹式呼吸で
一方、腹式呼吸は鼻で息を吸いながら
お腹をふくらませ、吐く息でお腹を
へこませます。
腹圧をかけるため、胸式より呼吸のリズムが
自然とゆっくりとなります。
腹式呼吸をすると、
肺の下にある横隔膜が上下運動します。
この横隔膜に自律神経が密集しているため、
吐く息を意識的にゆっくりとすればするほど、
自律神経を刺激し、副交感神経が優位になり、
リラックしていきます。
例えば、睡眠中は意識しませんが、
お腹を自然に上下させるような
腹式呼吸のため、ゆったりとした
リズムの呼吸になっています。
こうした複式呼吸を覚醒時に意識的に行うと、
自律神経のバランスがとれるわけですが、
これをさらに深めたものに「丹田呼吸法」
というものがあります。
丹田はヘソ下3寸(9㎝)のところにあるツボです。
先述のお釈迦様の呼吸法は
この丹田に圧力をかける呼吸法といわれています。
丹田呼吸法も吐く息にのみ意識を集中しますが、
呼気の際に丹田に力を入れ、上半身を
45度以上前傾させることで息が多く出ます。
この呼吸法をしばらく続けていますと
脳波がアルファ波へと移行しやすくなりますので、
受験生やビジネスマンは試験前や会議前に行うと
ヒラメキや直感力が高まることが期待できます。
ストレス社会に生きる私たちは、
交感神経が優位になりがちです。
腹式呼吸は誰でも手軽にできる健康法です。
ふだんから意識的に腹式呼吸を行い、
心身のリフレッシュを図りたいものです。