呼吸と集中力の関係とは・・・
呼吸、特に深い呼吸をしていくと、
脳波がアルファー波になって、心を落ち着かせ、
集中力や記憶力をあげることになります。
それでは、呼吸法の作用は・・・
■呼吸とは元々自然に起こります。
その人の物質代謝に見合った酸素の取り込みと、
炭酸ガスの排泄を主な機能として、
延髄という脳の大切な部分の、呼吸中枢によって
コントロールされています。
健康法としての呼吸方法では、
自らの意志でその呼吸リズムを作るので、
延髄よりもっと上位にある大脳皮質からの指令で
意図的に行われ呼吸パターンを作ります。
■通常安静時の呼吸は、
息を吸い込んだ肺がもとに戻る時の
復原力によって息を吐き出します。
深呼吸法では、積極的に腹筋を使って
内臓を強く圧迫させて息を吐く動作を行います。
これには、複式呼吸、丹田呼吸などがありますね。
■深い呼吸は、運動したり興奮したりする時に
一般では認められます。
深呼吸法では、極めてゆっくりと静かに
呼吸することがその特徴です。
静かにゆっくりと呼吸する事は、
酸素を必要以上に、取り入れないようにするためです。
呼吸法のなかで歴史の深い気功法は、
自律神経機能や、情緒の安定に良いということが
経験的に知られているます。
1960年代になってから、
これら経験的な事柄を数量的に研究する努力がなされて来ました。
① 脳波については、
深呼吸をすると、α波の周期数、一分間の数が減り、
振れ幅は大きくなります。
これは感情が抑えられ、落ち着くことと考えて良いでしょう。
② 副交感神経が緊張して、
交感神経の緊張が押さえられることによって、
血圧が低くなって、皮膚の小さな血管が拡がって
皮膚の温度が上昇します。
また、胃腸の運動が活発になって
唾液や胃液の分泌も盛んになります。
インスリンの分泌も盛んになって血糖値も低下します。
膀胱神経は、緊張しませんので、
あまりトイレに行きたいと感じません。
③ 深呼吸法によって、
腹筋や横隔膜が収縮することによって
内臓へのマッサージ効果もあるし、また、
内蔵の血液循環も良くなると思います。
④ 腹圧がかかり、腹部大動脈が
圧迫されることによって、心臓への血液の
戻りが良くなって、心臓循環器系も
活性化されると思います。
足のむくみも治ってくると思います。
⑤ 肝臓や脾臓をマッサージすることによって、
そこで蓄えられている赤血球が放出され、
血中の赤血球が多くなります。
以上が今まで解っている、深呼吸法の作用です。
成人男子の人間の肺の容積は約4000ccあるにも関わらず、
普通の呼吸では、空気(成分:酸素21%、窒素79%、
少量の炭酸ガス)をそのうち500ccしか摂取されていない。
しかし、深呼吸のときでは約3500ccの空気が肺に出入りします。
このように深呼吸=7倍近い酸素の供給を
一度に摂取する事で、血液循環を良くし、
その結果、細部の細胞までを新鮮な状態に変え、
神経が脳と繋がっているからこそ、
α波の周期数も抑えられ、落ち着くのですね。
だから、緊張した時など、「深呼吸すれば良い」
と言われるのも、これらの科学的根拠を元に
言われており、物事に集中させる方向に
向かわせるわけなんですね。
平静さが求められる時、または瞑想などの場合に、ぜひ
この深い呼吸法を行って下さいね。