記憶がなくなるということ?!(2)
認知症(2)
前回、脳の記憶がなくなる認知症の中で、
大部分占める「アルツハイマー」についてお話しました。
今回は、その大きな根本を占める脳の中でも
「前頭葉」と一つ目の予防のテーマとは・・・
についてです。
脳の司令塔は「前頭葉」です。
その「前頭葉」の三本柱の機能が
加齢と共に働きが衰えていくことで、
「アルツハイマー型認知症」発病のプロセスがあり、
そのメカニズムを解明することが重要になるのです。
それには、この「前頭葉」の三本柱の機能、
これは「意欲」、「注意の集中力」
及び「注意の分配力」
ということになります。
この特徴として、20歳を過ぎると、
年をとるにつれて緩やかではありますが、
徐々に働きが衰えていくということがあります。
つまり、老化曲線、言い換えると
「正常老化曲線」があることなのです。
それというのは、「前頭葉」のはたらきで
「生活習慣」を維持していても、加齢とともに
機能が緩やかに衰えて行くという性質があるのです。
これは加齢というシステムの中では
全員の方に起こることでしょう!
「高齢者」と言われる65歳頃には、
「前頭葉」の「三本柱」の機能レベルが最も高い
20歳頃に比べて何と半分くらいにまで衰えてしまう・・・
このことが注目すべき要因なのです。
「アルツハイマー型認知症」は、
「高齢者」になれば発病の割合が高くなり、
70歳代、80歳代、90歳代、100歳代と
高齢になればなるほど、発病する人の年齢別の割合が、
どんどん増えて行くのです。
この「前頭葉」の老化曲線のカーブの傾きの度合いは、
60歳を過ぎた高齢者と言われる年齢になると、
脳の使い方、つまり常にどのくらい
脳を使っているかという「生活習慣」に
大きく左右されるようになります。
脳の左脳、右脳及び運動の脳から送られてくる
情報の質と量次第で、「前頭葉」の老化の曲線は、
「緩やかに低下するカーブ」(正常な老化)を描くのか、
或いは、「加速度的に低下するカーブ」(異常な老化)を
描くことになるのか、決定してきます。
たくさんの量と質のよい情報が送られてくるような
「生活習慣」が継続されている高齢者においては、
老化の曲線は緩やかなものとなり、
身体が保つ限り脳も保てる状態になります。
生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、
目標もない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」により、
量も質も劣る情報しか送られてこない
「生活習慣」になります。
それが継続されていくと高齢者にとっては、
老化の曲線が加速度的な低下の曲線を描いて、
急速に低空飛行になっていくことになります。
その行き着く先には、「アルツハイマー型認知症」の
発病が待っているのです。
このことからも予防のための重要なことは
「アルツハイマー型認知症」の発病を予防するには、
脳をしっかり使う自分なりの「生活習慣」の
構築と維持が不可欠だと言うことになるのです。
予防のための二つ目の「テーマ」となるものとは・・・
次回はこれについて考えてみます。