ストレスに強い?それとも弱い?
前回ストレスのシグナルについてお話しましたが、
その感じ方がそれぞれ違うため、ストレスと感じるか、
感じないかが分かれると思います。
どんな人がストレスで病気になりやすいのでしょうか。
過労や病後で身体が弱っていると、
普段よりも風邪をひきやすくなります。
これは自律神経系や内分泌系の機能が低下し、
ストレス刺激に対する抵抗力が落ちるためです。
つまり、ストレス耐性は、そのときの体力に
左右されるということです。
また、もともと自律神経の調節能力が弱いなど、
生まれつきストレス耐性 が弱い体質の人もいます。
例えば、子どものころからすぐに熱を出したり、
下痢をしたり、乗り物酔いをしやすかった人。
あるいは、頭痛やめまい、便秘、生理不順など、
日ごろから身体の不調が多い人。
こういう人は、体質的にストレス耐性が弱い可能性があります。
朝起きて会社に行き、夜はテレビを見て眠るだけ。
週末は何をするでもなく、ただ家でゴロゴロ・・・。
いわゆる「会社人間」と呼ばれるタイプ。
心当たりありませんか?
このような「仕事がすべて、趣味とも無縁、変化の少ない生活」を
送っていると、気分の切り替えができず、
ストレスをうまく処理できないのです。
ストレス耐性には、
その人のライフスタイルも大きく関わっていると思います。
さらに、遺伝や環境によって育まれた性格も、
ストレス耐性に影響します。
一般に次のような性格の人は
ストレスに弱い性格と考えられています。
①几帳面で神経質。
②何事も完壁にこなそうとする。
③物事にこだわりやすい。
④感受性が強い。
⑤周囲に気を使いすぎる。
⑥柔軟性に乏しい。
一方、ストレスに強い人は、おおらかで、
人目をあまり気にせず、感情をのびのびと表現し、
気持ちの切り替えも早い、といった特性が見られます。
<ストレスに対する感受性>
さて、間違い電話がかかってきたとき、
それを非常に不快に感じる人もいれば、
まるで気にとめない人もいます。
このようにストレスに対する感受性は、
その人の性格や体質などによってかなり差がありますよね。
感受性が鋭敏すぎる人は、
やはりストレスに対しても過敏といえるでしょう。
しかし、だからといって鈍感なら
よいというものでもありません。
健康に生きるためには、
適度のストレスと、適度の感受性も必要なのです。
<ストレスと性格はどう関係するのか>
現在では、ストレスと性格には
一定の関係があることがわかっています。
たとえば、胃潰瘍や十二指腸潰瘍で
入院している患者の性格を研究した医師の調査結果によると、
「誠実で、まじめで融通がきかない、神経質」な人ほど
ストレスを受けやすく、こうした病気にかかりやすいそうです。
また、ストレスはガンの発生にも影響を与える
という報告もあります。
特に、
①ストレスを回避しようとする能力に欠ける。
②感情を抑えてストレスをためやすい。
③依存心が強い。
④絶望感や虚無感を持ちやすい。
といった性格の人ほどガンにかかりやすいようです。
裏を返せば、それだけストレスを
受けやすい性格だといえるでしょう。
ただし、「何事にも精力的に取り組む」
「競争心が強い」「攻撃的」という人が、
ストレスを受けないというわけではありません。
性別とストレスの関係では、
一般に柔軟性のある女性のほうがストレスに強いと
いわれています。
ただし、女性は感情的なつながりや対人関係でス
トレスを受けやすく、生きる気力や自信を失ったり、
疲れやすく、何もしたくなくなる、
などの抑うつ状態に陥りやすい一面も持っているようです。
あまり深刻に考え込まずに、発散できる方法を見つけておくといいですね。