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遊びの脳とデジタル脳の違いとは・・・

遊びの脳とデジタル脳の違いとは・・・
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遊びの脳とデジタル脳の違いとは・・・

私たちの仕事上では、
基礎的な言語能力や計算能力、論理的思考能力が
大事であることはいうまでもありません。

 

そうしたデジタル的ともいえる能力は
学校教育で特に重要視され、その人の
人生を左右する大きなファクターとなっています。

 

しかし、デジタル思考一辺倒では硬直して、
実社会では役立たないことも往々にしてあります。

 

世間ではそうした人間を「デジタル人間」と呼び、
それとは対極にある柔軟な人、ユニークな発想をする人を
「アナログ人間」などと表現することもありますが、
現実にはほとんどの方がその中間から多少、
左右にずれている程度でしょう。

 

デジタル思考派は知識が豊富で論理的な思考が得意ですが、
悪くいえば前例主義で直観力に乏しい面があります。

 

決まりきったことに縛られる傾向がありますね。

 

一方、アナログ思考派は論理よりも
情緒を重んずる傾向があり、直感力と柔軟性が武器です。

 

両者はまるで正反対のように見えますが、
人は誰でも両面性を持っているものです。

 

たとえば、あるときは頑固な論理派になり、
あるときは感情に流される。

 

あるいは、アイデア豊富な直感型の人間なのに、
自説を曲げずに得々と論理展開する柔軟性のない人。

 

決して特殊な例ではありません。

 

デジタル人間もアナログ人間も相対的なものに過ぎないのです。

 

しかし、コンピュータは完璧なデジタルです。

 

演算処理スピードが驚異的に向上した現代では、
パソコンレベルでも言語などの
記憶、計算・統計処理などはすでに人知を超えています。

 

コンピュータが人間の仕事を次々に奪ってきた現代では、
知的労働者の戦略としては、マシーンにできない能力を
身につけるか、マシーンを操る能力を身につけるかの
どちらかしかありません。

 

それではコンピュータの処理能力を超える
遊び脳とはなんでしょうか?

 

コンピュータと人間の最大の違いは、
人間が遊べることです。

 

遊びは人間だけの特権ではなく、
チンパンジーや猿、犬、猫、カラスなどの動物も
遊びますが、知的レベルで遊びを楽しむのは人間だけです。

 

ここでいう遊びは、労働の反対概念としての
娯楽というような意味ではありません。

 

労働が日常だとすれば、
遊びはそこから逸脱する非日常です。

 

コミュニティの中では各種のお祭りや行事が、
日常の閉塞感を打ち破り、精神を集団的に
リフレッシュする装置として機能しています。

 

また、工学の分野では、「遊び」は
機械装置の動作に反映されない範囲のことで、
安全装置ともいうべきものです。

 

建築では隙間というような意味になります。

 

各部分をぴったりに作ってしまうと
納まらなくなることを防ぎ、接合部に
ゆとりを持たせるのが「遊び」の役割です。

 

電車のレールの接合部にも遊び(隙間)があります。

理由は子供でも知っていますね。

さらに、犬や猫の遊びは、狩猟のトレーニングに
なっていますが、多くのスポーツやゲームもまた、
狩りや人間同士の戦いをモデル化したものが起源となっています。

 

このように、遊びの概念は奥深いのです。

 

そして、人間の脳がコンピュータに勝てるヒントが、
この遊びの中にあるのではないでしょうか。

 

よく「遊び心」ということがいわれますが、
これも現実にどっぷりつかるのではなく、
そこから少し離れたところからゆとりを持って
物事に当たりましょう、ということです。

 

遊びの精神から、素晴しいアイデアや解決法が
生まれてきたりするものです。

 

遊びとは、組み込まれた現実というプ
ログラムから一時的に逸脱することで、
「ゆとり」とか「余白」と言い換えることもできます。

 

このように遊び脳は、コンピューターとは違う、
より高度な創造力を生み出す大きな力となるのです。

 

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