物忘れをなくすためには・・・
前回は、人が趣味を持つことの
効能・効果についてお話ししました。
脳と趣味との関係でしたね。
これにも関連することではありますが、
趣味を楽しむためにも、物覚えがいい状態をキープした方が
楽しめますよね。
楽しむということは
脳の劣化を遅らせることができるからです。
人間は年をとると物覚えが悪くなると言われます。
しかし年齢を重ねても記憶の良い人もいます。
それでは物覚えを良くするためには、
または言い方を変えると、
日常の物忘れをな少なくするためには
どうすればいいのでしょうか?
人間は年齢を重ねると
海馬の機能が低下しはじめると言われてます。
特に50代を過ぎるとその傾向が進みますが、
これは脳が少しづつ縮んでしまうからです。
毎日10万個くらいの脳細胞が死んでいく
ということからも予想はつきますね。
この世に誕生してから20代にかけてまで
脳はどんどん成長していきますが、
そのピークを過ぎるとゆっくりと脳が縮みはじめます。
それと比例して記憶力も低下していきます。
この縮むという現象は脳全体ではなく、
脳の一部とくに前頭葉と海馬を含む
側頭部が死滅していくことで
個人差がありますが、寿命がつきるまでに
ピーク時の20〜30%ほどが死滅すると報告されています。
とはいえ、死滅した部分の記憶が
まったく無くなるという事ではなく記憶として残るのですが、
その記憶の出し入れが
自由にできなくなる、断片的な状態になります。
では、物覚えをよくするために、
つまり物忘れをなくすためには
どうしたらよいのでしょうか?
記憶される過程には大きくわけて2つあります。
非言語的なものと言語的なものです。
自らが行動し体で体験することで記憶する
非言語的なもの、もうひとつが
言葉や数字で記憶する言語的なものです。
言語的記憶力には、
学校の成績がよい、暗記が得意ということに優れており、
非言語記憶力には、
体育が得意、スポーツ万能というようなことに
優れていると言われています。
言語的能力の強化については、
記憶方法によって差が生じます。
通常やっている試験勉強で使われる暗記法は、
一時的に膨大な情報を
脳に詰め込むには有効ですが
継続して長期間脳に蓄積できないのが特徴です。
そのために、長時間記憶、蓄積できる方法が必要です。
逆に自分で体験し理解した記憶は
長期間保存されます。
また、その記憶自体を忘れていても
記憶になるまでの過程として
様々な要因が残っているのでひとつのとっかかりがあれば
記憶が蘇る、または思い出そうと脳が働きだします。
★ 記憶を強化する方法として大事なことの一つは、
復習、反復を繰り返すことですね。
以前、エビングハウスの忘却曲線でお話ししました。
それによると20分で42%忘れ、
1時間では56%忘れてしまうという、
覚えても覚えてもどんどんわすれていくような結果があります。
特定の情報を刺激として海馬に送る事で
海馬経由で大脳新皮質に情報が伝わり、
短期記憶から長期間記憶として保存されます。
★ さらに二つには、
集中力の精度があがると比例して
記憶力も良くなると言われています。
身近な例であげれば、呼吸法や、
自分の好きなことをしている時は
集中力が高まります。
その集中できること、
すなわち、趣味、勉強、読書、スポーツなどに対して
情報量を増やし、楽しむことにより、
脳に刺激を与える事ができます。
趣味などこれらの効用で共通するのは、
前頭葉を使うことによって脳全体を
活性化することです。
前頭葉は計画、創意工夫、実行などを
つかさどる脳の司令室の役割を担っていますから、
この機能が活き活きしてくるのです。
最近物忘れが多くなってきた方は、
これらのことをぜひ試してみて
脳を活き活きさせてほしいと思います。