勉強ができる?頭が良い?
以前のメールマガジン、記憶の玉手箱の中で
「IQの高い人とは」の中でも
多少お話ししていますが、まだ読まれていない方は
ぜひ参考にしてください。
学生時代の勉強ができた! と、
社会に出てからの仕事ができる、 というのは
どうもイコールではないような気がします。
テストの点数が頭のよさを測る尺度
となる傾向があり、記憶力や計算能力の
すぐれた子ほど頭がいいと思われがちです。
さらに理解力や思考力、応用力などの
能力を培うためには、重要なのは記憶力であり、
あわせて長時間、勉強が続けられる
集中力と忍耐力があるかないかが、成績を左右します。
ところが社会に出ると、
知的な仕事に要求される脳力は、
記憶力や計算能力だけではありません。
理解力や思考力のほうが大事になり、
さらに分析力、表現力、発想力、企画力、調整力、
コミュニケーション能力などが求められてきます。
コミュニケーション能力は、
IQ(知能)だけでなく、
EQ(Emotional Intelligence Quotient=感情知能指数)
に関係します。
勉強ができるというとまず浮かぶのが、
偏差値が高いということでしょうか。
それはそれですばらしいことです。
学歴偏重時代には、一流大学を出ることが
頭のよい証しでした。
今でもその傾向はありますが、
「本当に頭のよい人は?」と尋ねると、
こんなことが多く言われているようです。
「知識が豊富な人」
「アイデア、発想が豊かな人」
「応用力がある人」
「柔軟性と適応力がある人」などなど・・・
「難しいことをわかりやすく説明してくれる人」っていますよね。
教え方が上手ということでしょうか。
これは前述のEQ(感情知能)に関係することで、
IQとはあまり関係ありません。
逆に、やさしいことを
ことさら難しく説明する人がいます。
EQ(感情指数)があまり高くないかもしれません。
知能については、
心理学の世界でも昔から研究がなされ、
いろいろな説が発表されてきました。
その中で、現在もっとも利用価値があるとされるのが
「サートンの多因子説」です。
サートン(1887~1955年)は、
知能検査などの分野で統計処理の発展に
貢献したアメリカの心理学者ですが、
知能の因子分析を行い、
次の7種類の分類を導き出しました。
1.言語理解………言葉を使う能力
2.語の流暢性……なめらかに話す能力
3.数………………計算などの能力
4.空間……………空間的関係の理解
5.記憶……………記憶する能力
6.知覚速度………知覚するスピード
7.推理(帰納)…推理する能力
このように、勉強ができるということだけではなく
、理解力をはじめ、分析力、表現力、発想力、
企画力、調整力、コミュニケーション能力などは
大事な要因になりますね。
人の脳力を正しく評価するのには、
学歴偏重だけに偏らない、
全体的に人をみることが必要かもしれません。