低体温の原因
前回は低体温と脳との関係をお話ししました。
そもそも人間の体温は何度が健康なのでしょうか?
内臓周辺の温度は36℃~37℃に保たれていないと、
要注意ですし、34℃~35℃になると、
内臓に十分な血液が流れ込んでいない証拠です。
まず、35℃を下回ると筋肉が硬直を始め、
33℃以下になると血液循環が悪くなっていきます。
脳に十分な血液が届かない酸欠状態を起こし、
意識混濁や血圧低下が始まるのです。
そして、体温が30℃以下になると昏睡状態に陥り、
29℃で瞳孔反射が無くなり、
28℃より下がれば死ぬ確率が高くなります。
いわゆる凍死です。
過度の緊張で交感神経が活発になっていると、
末端の血管が収縮して血流が悪くなり、
温度が下がっていきます。
リンパ球などは35℃では十分に働けません。
そのため、
体温が低い人はカゼでもなかなか治りが悪く、
長引きやすいですね。
酵素の活性も36℃より37℃の方が働きが良くなり、
細胞活動が上昇します。
そして、体が温まると緊張がほぐれ、
副交感神経が働きやすくなるというわけです。
ガン細胞は35℃で活発になるので、
低体温の人はがん体質と言われるゆえんです。
低体温の原因は・・・
低体温の原因は生活習慣にあると考えられます。
特に、食生活の乱れが低体温の主な原因です。
私たちは、食べ物(糖質・脂質・たんぱく質)から
エネルギーや熱を作り、体温を保っています。
体内で糖質をエネルギーに変える時に必要なのが、
亜鉛・マグネシウム・鉄・セレンなどの
ミネラルとビタミンです。
しかし、ミネラル・ビタミンが不足してしまうと
食べ物からエネルギーや熱を作ることができず、
体温が上がらなくなり、低体温になってしまうのです。
最近は、加工精製食品の取りすぎの傾向により、
脂肪・糖分の過剰摂取の反面、ミネラル・ビタミンは
不足傾向にあります。
また無理なダイエットをすると、
更にミネラル・ビタミンは不足してしまいます。
この食生活の乱れや無理なダイエットによる
ミネラル・ビタミンの不足が、
低体温、生理不順、貧血などを引き起こす
重要な原因になっています。
この他、低体温になるよくない生活習慣とは・・・
★冷たい食べ物や甘い食べ物の食べ過ぎ
冷たい食べ物や甘い食べ物は身体を冷やしてしまい、
低体温の原因となります。
★季節はずれの野菜や果物の摂取
冬に夏の野菜や果物を食べると
身体を冷やしてしまいます。
夏の野菜は水分が多く、身体を冷やすからです。
★ダイエット
食べない系ダイエットをすることで、
ミネラル・ビタミンのバランスが崩れています。
★運動不足
運動不足になると、血液を送る筋力を
刺激しない状態が続き、筋力が低下し、
低体温の原因となります。
細胞の中にあるミトコンドリアが
熱を発生させているのですが、筋肉量が多ければ、
ミトコンドリアの数も多くなり、それにともなって.
体温が上昇すると考えられます。
★過度のストレスによる血行不良・自律神経の乱れ
最近では、過度のストレスがかかることで
血行不良が起こることがあり、
これも低体温の原因としてあげられます。
★自律神経の乱れ
ホルモンバランスが乱れることで、
自律神経が乱れてしまい、体温をコントロールすることが
できなくなり、低体温になることもあります。
特に女性は妊娠・出産、更年期、
過度のストレスなどによって、ホルモンバランスが
崩れることがあるので、注意が必要です。
★便秘
便秘になるということは、
腸内でぜん動運動が行なわれていない
ということであり、基礎代謝も低くなります。
基礎代謝が低くなることが、
冷え性や低体温の原因とも考えられます。
腸内の働きを良くし、便秘を改善することが
低体温改善にもつながると考えられます。
以上のような原因によって
低体温という症状がでてくるようです。
毎日の規則正しいリズムや運動などが
大事になるようですね。
では低体温はどのように改善したらよいのか、
明日は低体温の改善についてです。