私たちのカラダは日々さびている?
日本の和食が身体にやさしく、
負担が少ないということをお話ししてきました。
私たちの細胞は、以前にお話ししたように、
身体の細胞は日々生まれては死んでという
再生を繰り返しているのに対して、
脳細胞は毎日10万~11万と死滅していきますが、
再生しないという事実があります。
その中で
「不老長寿」は人類永遠の願望ですが、
人の老化を止めることは出来ません。
ただ、加齢と老化は別のものです。
老化の程度には個人差があります。
その違いはどこから来るのでしょうか?
元凶は活性酸素
最近「体がさびる」という言葉を
耳にするようになりました。
「さびる」というと、
金属のことを思い浮かべるかも知れませんが、
決して肌が鉄のようにボロボロになる訳ではありません。
それは、例えば、年齢とともに増える
肌のシミ『老人斑』といい、それは、
“サビた細胞”、つまり酸素によって
酸化された細胞の総称なのです。
このシミを作った酸素は、
私たちが空気中から取り入れている
酸素が体内で変質したものなのです。
人間だけでなく、生物の細胞が呼吸し、
新陳代謝をしていく過程で発生する
『活性酸素』という有害物質なのです。
活性酸素によって出来るシミは、
肌に限らず、カラダの細胞すべてに生じます。
内臓のあらゆる器官、血液や骨も、
活性酸素によって酸化するのです。
私たちの細胞が酸化すると、
免疫力の低下、ホルモン分泌の衰えや
消化吸収の機能障害など、いわゆる
「老化現象」が現れるのです。
特に活性酸素が、
細胞内の脂質を酸化させてつくりだす『過酸化脂質』は、
動脈硬化やガンの発症との関連が指摘されています。
しかし幸いなことに、
私たちのカラダには活性酸素を無毒な物質に
換えてしまう機能が備わっています。
それはSOD(スーパー・オキシド・ディスムターゼ)
などの酵素による働きで「抗酸化作用」と呼ばれるものです。
もともと体内にあるSODですが、
その量には個人差があり、ほとんどの人が
20代前半でピークに達し、40歳を過ぎる頃から
極端に減少していきます。
その結果、老化が始まったり、
病気にかかりやすくなるのです。
活性酸素とは?
酸素は空気の20%以上含まれると、
私たちのからだにダメージを与えることが
分かってきました。
活性酸素とは、周囲の物質を酸化させることで、
原子核の周りの電子数が変化して
不安定になった酸素のことです。
酸素は非常に激しい元素で、物とむすびついて、
それを燃やしたり、鉄にくっついてサビさせたりします。
この「ほかの物と結びつく力」が異常に強まった
激しい酸素のことを『活性酸素』といいます。
気が狂った酸素が刃物を持った様なものが
活性酸素なのです。
活性酸素の活性とは
酸化力(他の原子や分子から電子を奪い取る)のことです。
活性酸素は、その激しい酸化力で、
重要な臓器や細胞を手当たり次第に攻撃し、
それらをサビさせて、病気や老化の原因をつくる
張本人なのです。
さらに不都合なのは、活性酸素は、
体の中の飽和脂肪酸と手を結び
『過酸化脂質』という悪玉物質を作ります。
これは、脂肪のヘドロのようなもので、
それ自体が毒性を持つのはもちろん、
血管にベッタリとくっつき血液の流れを悪くして
うっ血させたり、新陳代謝を妨害します。
新陳代謝が悪くなるという事は、
身体の機能がスムーズではなくなるということです。
では次回は、具体的にどのように対応すればいいのか、
みていきましょう!