和食のすばらしさとは・・・
和食が「無形文化遺産」に登録されました。
無形文化遺産とは、
人びとの慣習・描写・表現・知識及び技術
並びにそれらに関連する器具、物品、加工品
及び文化的空間のことです。
和食は、
四季や地理的な多様性のなかで生まれた食材、
素材を生かす調理技術、ご飯と汁物が付いた
「一汁三菜(いちじゅうさんさい)」の
献立を基本とした食事、自然の美しさを表した
盛りつけなどに特徴があり、
正月や田植えなどの年中行事と密接に関係する
社会的慣習でもある、として登録されました。
和食のすばらしさはこの「一汁三菜」の中にあります。
「三菜」は三品のおかずがつくという意味で、
主菜は魚系が中心であるが、時には肉料理もつきます。
副菜は二品あり、まず野菜料理の「副菜」、
続いて豆腐料理や納豆、煮豆など大豆を中心とした
「副々菜」です。
「一汁」はみそ汁、あるいは吸い物です。
一汁も三菜も季節の食材を中心に用いるのが決まりで、
食卓に並べられた料理を見ただけで、
季節の位置がわかるように盛ります。
和食では、必ず手前に主役のご飯、右隣にみそ汁、
その中間に漬けものを置きます。
その向こうに主菜、副菜、副々菜を並べます。
世界一栄養バランスのとりやすい献立ではないでしょうか。
自然を破壊するのではなく、
次世代に生産力の高いままの里山や川、海などの
自然を伝えていく。
そのような、自然に寄り添った食べ方を、
縄文時代から続けてきたのが日本人であり、
健康を支えてきたのが和食なのです。
【和食の内容は・・・】
日本の伝統食が
現在の日本や欧米の食事より体の負担が少なく、
脂質や糖の代謝をうながす効果があることが、
2006年5/19の日本栄養・食糧学会で発表されました。
研究チームは厚生労働省などの調査結果をもとにして
①欧米の食生活の影響が少なかった
1960年の日本の献立(豆ご飯・煮物)
②1999年の日本の献立(豚のショウガ焼き・・)
③1996年の米国の献立(パン、ステーキ・・・)
の3タイプの食事をそれぞれ1週間分を、
凍結乾燥して粉末化しラットに3週間食べさせました。
その後、遺伝子を調べた結果、
体に負担がかかると反応する遺伝子の働きは、
どうだったのでしょうか?
結果は、
昔の日本食をたべたラットが一番弱く、
米国の食事を食べたラットで一番強く現れました。
逆に、糖や脂質を代謝する遺伝子の働きは
昔の日本食が一番強く、米国の食事で一番弱く現れました。
肝臓を調べると、
米国の食事の方が肝炎などの原因になる
過酸化脂質が溜まりやすいことも分かりました。
動物実験では、カロリー摂取量を抑えると
寿命が延びることが知られていますが、
和食を食べたラットの遺伝子の働きは、
カロリー制限したラットに似ているという結果でした。
このように、和食が身体に負担がなく、
やさしいということがよくわかります。
日本の文化がとても優れていることを、
あらためて認識できますね。
脳に対しても欧米化する食事が負担がかかることがわかります。
特にアルツハイマーなどの認知症発生が増えつつあるのです。
日々の食生活を見直し、この和食を
大事にしていきたいものです。