記憶力と休憩することの関係性
昨日、記憶を持続すること、つまり記憶の保持には、
一気に詰め込むより、繰り返した方が
持続することをお話ししました。
ニューロンのシナプスの結合部を
強化することが大事であることからです。
シナプスの先端部はいつもゆらいでいるので、
それを揺らぎにも大丈夫な強いシナプスを作っていくこと、
これが記憶を強化できるということになるのです。
それには
休憩をしながら繰り返すことが重要です。
休憩を挟みながら繰り返し学習すると、
脳の神経細胞でタンパク質が作られ、
一時的な記憶が長続きする記憶に変わることを
マウスの実験で確認しました。
これは、2011年、理化学研究所が、
運動の記憶が脳の中で定着していく仕組みの
一端を解明したものです。
成果はジャーナル・オブ・ニューロサイエンスに
発表されています。
短時間で一気に学習した記憶よりも、
間隔をあけて繰り返し学習した記憶の方が
長続きすることが経験的には知られていました。
この経験的なものが、実際に明らかにされたものです。
研究チームは、左右に動く格子模様を
マウスに見せて目でおわせ、
目の動きを覚えさせる実験をしました。
短時間で一気に学習したマウスでは、
脳の中に「小脳皮質」という部分に記憶ができ、
休憩を挟みながら繰り返し学習したマウスでは
「小脳核」という別の部分に記憶が作られることを確認しました。
休憩をしながら繰り返すことで、
強く記憶することができるという結果です。
繰り返し学習するということは、
脳の中での記憶の場所がかわり、
記憶が強化されるということが
わかったわけです。
私たちは同じパターンを繰り返すことが、
どうも飽きてしまい、なかなかやりたくない
という感情になりますが、この結果からみると、
飽きてしまいそうになっても、継続することが
とても大事であることがわかりますね^^
これから記憶するということにおいて、
意識してみて下さいね。
記憶がよくなるためには・・・
私たちの脳の複数の神経細胞に伝わるように
刺激を加えると、タンパク質が合成され、
記憶が進むことが発見されました。
それによると、
ラットの脳の断片を特殊な顕微鏡で観察し、
神経細胞間で接合する際、シナプスの隆起する部位に
注目しました。
複数の神経細胞に伝わるように刺激したところ、
この隆起部位の形状が記憶するために変わりました。
何か、記憶を助けるものが関わって、
形がかわったのでしょう。
しかし、
脳の成長を促すタンパク質の合成を促す
タンパク質の合成を阻害すると成長が止まりました。
以前から長期記憶をする際には
何らかのタンパク質合成が関与していると
見られていました。
観察の結果、
タンパク質で神経細胞の結合部で
記憶できる状態に形状に変わることが確認できました。
記憶との関連では、
カルシウムイオンの濃度が変化して
記憶に関わっていると見られています。
このカルシウムは
骨粗鬆症にならないためにも大事ですが、
記憶に関してもとても大事な役割をはたしています。
次回はこの記憶の保持に必要なカルシウムについてです。