利き手と脳の関係は・・・
まず、腕を組んでみてください。
どちらの腕が上になりますか?
人には利き腕と同様「利き脳」があります。
腕を組んでみたとき、どちらの腕が上に来るかで、
その人の利き脳、つまり左右のうち
よく使っている脳が分かるんです。
右腕が上に来る人は左脳の働きがよく、
論理的で判断力に優れているタイプです。
一方、左腕が上の人は右脳の働きがよく、
直感的で創造力に優れているタイプといわれています。
右脳は左半身を、そして左脳は右半身を制御しています。
それでは利き手と利き脳の関係性はどうなのでしょうか?
右脳から出た命令は、延髄で交差し、
左半身の筋肉に伝え運動を起こさせます。
左脳は逆で、この結果、右脳からの命令が多いと左利き、
左脳からの命令が多いと右利きとなります。
赤ちゃんの時点では、まだ右利き・左利きがなく、
3歳頃から自然と決まってくるようです。
脳はまだ多くのことが謎に包まれているのですが、
どうやら左利きだから必ず
右脳人間だというわけではなさそうです。
これは世界中の人口の約90%の人が右利きで、
右脳人間にも右利きの人の方が多いということが
統計から明らかにされているからです。
そして人類ははるか昔からどうやら
右利きの割合の方が高かったようなのです。
石器時代には
右利き用のナイフや斧が多数見つかっています。
これは歯の砥がれている方向で
右利き用か左利き用かが分かります。
また世の中のカメラは全て右利き用ですね。
それでは何故、人は右利きが多いのでしょうか?
小さな子供をよく観察していると2歳ごろまでは
モノを投げる時に左手を使うことが多いのです。
このままでは左利きになりそうですが、
何故か3歳を過ぎる頃から右利きの人が増えてきます。
昔は無理やり矯正されたこともありましたが、
今はそのようなこともありませんし、
日本人だけが圧倒的に右利きが多いのではなく、
世界的に右利きが多いなら矯正だけがその理由にはなりませんね。
★ 右利きが多いわけ
これには諸々の説があります。
一つ目は・・・
遺伝子起因説です。
普通に考えれば右手を動かすのは左脳、
左手を動かすのは右脳が制御しているはずです。
しかし言語中枢は左脳にあるため、
言語の誕生と共に進化の過程で
右利きの遺伝子が優勢遺伝になっていったという説です。
二つ目は・・・
心臓を守るためという説もあります。
これは心臓は左側にあるため、それを無意識で
守るために右側を使うようになったという説です。
三つ目は・・・
偶発的に右利きの割合が多いため、
お母さんが赤ちゃんに母乳を与える時に.
赤ちゃんの頭を向かって左側に抱えるようになる、
赤ちゃんは右手を使って
お母さんのおっぱいを探るので
必然的に右利きが増えたという説もあります。
確実なことはわかりませんが、参考にはなりますね。
★ 日本人の脳は・・・
また日本人の脳には興味深いことがあります。
日本人に洋楽と邦楽を聴かせ、左右のどちらで聴くかを
調べた面白い研究があります。
その結果、ヴァイオリン、ピアノなどの
西洋楽器の音は右脳、
尺八、琴などの和楽器の音は左脳と
聴き分けていたのです。
また虫の音も、
欧米人が単なる音として右脳で捉えるのに対し、
日本人は“風情”として左脳で感じるとか。
「わび・さび」という言葉がこの国に生まれたのも、
納得できますね^^
日本人に生まれてよかった~、と思わず思ってしまう私です・・・