脳と光の関係とは・・・
室内にこもりっきりで、集中力が切れてしまうこと、
ありませんか?
もしあなたが室内でずっと勉強や仕事をする人ならば、
気分転換に太陽の光を浴びると
集中力が高まるかもしれません。
脳と光がどのような関係にあるのかという研究は、
まだ始まったばかり。
次のような実験結果があります。
通常の視力をもつ被験者が日中の明るい太陽光を浴び、
捜し物テストや計算、論理的推理、反応時間
といった能力を測ったところ、
明るい太陽光を浴びたあとは
パフォーマンス性が向上したということです!
さらに紫、青、緑のそれぞれの光を浴びて
記憶力をテストしたところ、
青い光で最も効果が現れました。
光の作用には、網膜にあるメラノプシンと
呼ばれる色素が介在しているらしいですが、
そのメカニズムは明らかになっていないようです。
以前にも書いたように、
サーカディアンリズムというものがあります。
「時計」という、リズムを刻む起点となる
時刻合わせが常に必要となります。
生体において、
テレビやラジオの時報の役目を担っているのが実は、
朝に目から入る光なのです。
人間を含む生物は日長時間の変化を感じて
季節リズムをつくり、毎日の概日リズムも、
朝の光の影響を強く受けています。
光と脳の実験をしたのは、
カナダのモントリオール大学と米ボストンの
ブリガム病院の研究者です。
この『Journal of Cognitive Neuroscience』で発表した論文には、
「光」は脳の機敏さやパフォーマンスなどに影響を与え
覚醒や認知力に重要な役割を果たしているとあります。
私たちの身体は目が見える見えないに関わらず、
光を浴びると脳が活性化され、
認知力が高まるのだということなのです。
以下がその実験の内容です。
この実験は目が見えない人を対象にしています。
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実験では全盲とされる被験者3人を対象に行われた。
全盲の人達の数パーセントには、
光をクオリアとして知覚出来なくとも
視覚刺激に応答することがあり、
この現象は「盲視(ブラインドサイト)」と呼ばれている。
たとえ網膜の視細胞には見えていなくとも、
網膜の神経節細胞層は光を“視る”ことができる。
この珍しい症状を研究することにより、
脳の細やかな役割をより詳しく知ることが可能になる。
実験では、まず3人の全盲の被験者に、
青い光が点いているか消えているかを答えてもらった。
3人は光が見えないにも関わらず、
“非意識的な認識”を介して50%以上の確率で
正しくそれに回答(被験者の一人は95%という高い確率)。
そこで被験者らの「音に関する記憶」を
青色光が目にあてられている時と消えている時でテストし、
それぞれの場合で
脳の機敏さや注意力を比較した所、
光の存在がパフォーマンスを向上させる事が判明した。
また、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)内での
シンプルな音のマッチングテストの結果では、
一分以下の光が、機敏さと認識、ならびに
デフォルト・モード・ネットワークが、
脳の前頭葉前部と視床部分
(白昼夢や記憶を思い起こそうとするときなど、
安静時に活性化する脳の領域に関係している)を
活性化させることが明らかになった。
これは、
画像の形成を伴わない光受容体が光に対する
“非意識下の認識”を誘発し、
脳のパフォーマンス部分に刺激を与えている
可能性を示唆しているという。
この前頭葉前部と視床部分が活性化する
ということはすごいことです。
私たちが今後に認知症にならないためには
この部分を活性化した方がよいからです。
私が主催している記憶術協会では
この前頭葉前頭前野を活性化する記憶術を
提供しています。
結論的に、
「光を浴びたという認識が全くない
3人の全盲の患者たちの脳でも、光に大きく反応したのは驚きだ」
と話すのは、この研究に携わったスティーヴン・ロックリー博士。
光は私たちに”もの”を見せてくれるだけではなく、
脳を活性化させてくれているのですね。
毎日、朝に光を浴びましょう!!
身体の調子が整い、パフォーマンスが良くなりますよ^^