うつ病の症状は・・・
日常生活の中で、嫌なことやがっかりすることがあれば、
気持ちが沈んで元気も出なくなる、
ということは誰もが経験することです。
しかし多くの場合、たとえ気分が落ち込んだとしても、
何か楽しいことがあればその時だけでも気が紛れたり、
時間が経ってがっかりさせられた原因が
解消されたりすると、自然に気が晴れてくるものです。
こういった誰もが経験する、
“一時的で、日常生活に支障を来さない気分の落ち込み”は、
『うつ病』とはいいません。
ではどういう症状が出てくるのでしょうか。
うつ病での『うつ状態』というのは、
”物事に対する関心や取り組む意欲が失せて
何もする気が起こらない状態が一日中ずっと、
ほとんど毎日、2週間以上にわたって続いた状態”
をさします。
また、「眠れない」「食べられない」など
さまざまなつらい症状も伴うため、
日常生活に大きな支障を来したりするようになります。
このように、うつ病は、妙に暗くなる、
考え方が悲観的になる、やる気が出なくなる、
よく眠れなくなる、などの症状が現れます。
それ以外にも、食欲がなくなる、
頻脈・頻尿、吐き気、過呼吸など、
身体的な症状が出る人も多いので、
本人もうつだと自覚するケースが多いです。
うつの症状が出てくると、はたから見て
「最近話しなくなったなー」くらいの
印象しか受けませんが、うつ状態の人の中は
悲観的な考え方が支配しているので、
ある日突然取り返しの付かない行動に出ることもあります。
厚生労働省の調査(平成14年度)によれば、
わが国では20歳以上の人の約7.5%
( およそ13人に1人)が、その調査の時点までに、
一度はうつ病を経験したことがある、
と報告されています。
世界でも人口の3~5%の人がうつ病だといわれており、
この数字をあてはめると日本でも600万人以上の人が
うつ病にかかっていると考えられます。
■ うつ病と不眠
うつ病において、不眠は必ずといっていいほど
みられる症状です。
うつ病での睡眠障害のパターンとしては、
夜ゆっくりと眠れなかったり、朝目覚めても
気分がスッキリしなかったりする【熟眠障害】、
あるいはもっと長く寝ていたいのに、
なぜか午前3時や4時に目が覚めてしまって、
それからは眠れずに悶々とする【早期覚醒】
といった状態になることが多いようです。
うつ状態・うつ病になると
あらゆる機能・能力が低下し、また不安な気持ちが
強くなって悲観的な考えから抜け出せなくなるため、
いくら考えても進むべき正しい道が
見出せなくなります。
うつ病の時は本来の自分ではない状態なのです。
うつ病の時にはできないと思うことでも、
回復すればできるようになることが多いものです。
したがって、このような時に人生の上での
大きな決断は避けた方が賢明です。
うつ病の時の悩み事はいったん棚上げにして、
回復してから考えるようにしましよう。
今回はうつの症状がどのようなものなのか、
みてみました。
明日はその原因の最新情報をみてみたいと思います。