前回、男女の脳の違いをお話しました。
今回はさらに考えられるものをピックしてみましょう!
③ ストレスへの反応
男性のストレスへの反応は“ケンカかトンズラ”で、
女性のストレスへの反応は“世話と絆”が多いと
言われています。
“世話と絆”とは、
カリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学教授
シェリー・タイラー氏の造語で、
女性はストレス状態にある時、
自分のことをするのはもちろん、子どもの世話をしたり、
強い絆のグループを作ったりするというのです。
ストレスに対する男女の反応の違いは、
ホルモンの違いによるものだと考えられています。
男女ともストレスを受けると、
オキシトシンというホルモンが放出されますが、
女性ホルモンのエストロゲンは、
オキシトシンを高める働きがあります。
その結果として、女性は落ち着いたり
子育て心を促進されたりするのだそうです。
一方、男性がストレスを受けた時に
多く分泌される、男性ホルモンのテストステロンは、
オキシトシンの働きを妨げてしまいます。
男性がすぐキレるのも、
いつの間にかさっさと逃げるのも
ホルモンの影響なんですね。
生物学的にはごく当たり前なのかもしれません。
④ 言語能力
言語機能をつかさどる脳の部位は
2ヶ所ありますが、どちらも女性の方が
大きいことが発見されています。
女性の方が言語科目で優秀だったり、
言語関連の思考に優れていたりするのが、
その理由のひとつだと考えられています。
また、男性は左脳でしか言語情報を
処理しないのですが、女性は右脳・左脳双方で
処理しています。
このことから、脳卒中を起こした女性が
言語障害なしに回復する確率は、男性より高くなります。
男性は言語エリアに影響があると、
回復の確率が落ちてしまいますが、
女性は別の脳の半球で言語情報を処理できるからです。
国語や英語の成績がいいのは、女子に多いというのは、
このことに関係かるのかもしれません。
文系女子&理系男子は、
典型的な“脳の構造差”なのかもしれませんね。
それにしても、脳卒中の後遺症にまで男女差があるとは
脳のしくみの違いにあるようですね。
⑤ 感情
女性の脳は一般的に、
感情をつかさどる辺縁系が大きく深くなっています。
このため女性の方が
感情とうまくつき合える傾向が高く、
感情を表現するのも上手です。
その結果、他者とうまくつながることが
出来るようになります。
この“つながる能力”のため、
女性の方が子どもの世話をすることが多いのです。
でも、デメリットもあります。
感情をつかさどる辺縁系が大きく深いために、
うつになりやすいのも女性なのです。
特に、出産後や毎月の生理など、
ホルモン変化のある時はその傾向が高まります。
女性の脳は感情に関して、
ポジティブからネガティブまで、
フルオープンになっているということですね。
この点をよく把握しておくと、多少気にならなくなるかもしれませんね。