風邪の予防と対処法
生活の中での予防法
①バランスのとれた食事をとる
栄養の偏りや不足は体の調子を崩しやすくなる原因のひとつです。
レバーやうなぎ、牛乳、トマト、キウイ、いちご、大豆などに
豊富に含まれているビタミンAやC、ミネラルを
積極的にとりバランスの良い食事を心がけましょう。
②しっかり睡眠をとる
睡眠不足からくる疲れとストレスは、
免疫力の低下を招き、
風邪を引きやすくしてしまいます。
日頃から睡眠を十分にとるようにしましょう。
③手洗いとうがいの習慣をつける
手についたウイルスからの感染を防ぐために、
帰宅時や食事の前には、必ず石けんなどで手を洗い、
流水で十分にすすぐようにしましょう。
うがいは、上を向いて行うガラガラうがいが効果的です。
④室温、湿度を調整する
空気が乾燥すると、ウイルスに感染しやすくなります。
ウイルスが増殖できない環境を作るために、
室温が20~25℃に、湿度が60~80%になるように調整しましょう。
湿度の調整は加湿器の他、部屋に濡れタオルを干したり、
お湯を沸かすことでも行えます。
⑤タバコを控える
タバコは血管を収縮させ、血液の流れを悪くするだけではなく、
のどや肺に軽い炎症を引き起こし
感染源に対する抵抗力を弱めてしまうので、控えましょう。
⑥冷房を効かせすぎない
寒さは自律神経の乱れを引き起こし、
免疫力を低下させます。
夏風邪の原因の多くが、冷房による自律神経の乱れや
室内外の温度差といわれていますので、冷房を弱めたり、
室内では上着をはおったり、膝かけをするなど
体を冷やさない対策をしましょう。
対処法は・・・
1、マスクをする
マスクには、鼻やのどの乾燥や風邪に感染することを
防ぐと同時に、感染源をまき散らさない効果もあります。
長時間つけていても苦しくない、
自分に合った形を選び、衛生面のためにも
毎日変えるようにしましょう。
2、生活習慣を改善する
風邪を早く治すには、十分な休息と栄養のある食事が大切です。
ただし、風邪をひくと消化機能が低下しますから、
消化の良いものを食べましょう。
卵入りのおかゆや、野菜スープ、またビタミン類を多く含む
リンゴやみかんなどの果物がおすすめです。
3、薬での対処と診断
風邪薬にはさまざまな種類があります。
鼻水・鼻づまり、のどの痛み、発熱など、自分のつらい症状に
合わせて風邪薬を選ぶようにしましょう。
風邪の症状の多くは、1週間以内でおさまることが
ほとんどです。
高熱が出る、のどの痛みやせき、たんなどの症状が長引く
といったことがあれば、他の疾患が隠れている場合も
ありますので、診断を受けた方がよいでしょう。
風邪かと思い、インフルエンザであることがあります。
インフルエンザと風邪の大きな違いは、
風邪では全身的な症状がないのに対して、
インフルエンザでは強い全身症状があらわれます。
インフルエンザに感染すると、約1~3日の潜伏期間を経て、
急に38~40℃の高熱が出ます。
さらに頭痛や全身の関節痛、筋肉痛、倦怠感などがあらわれる他、
普通の風邪と同様に鼻水やせき、のどの痛みをともないます。
これらの症状は通常の場合5~7日ほどで治ります。
インフルエンザによる疾患には、以下のものがあります。
1、インフルエンザ脳炎(脳症)
インフルエンザのウイルスが脳に侵入して炎症を起こし、
脳の機能が低下する疾患です。
インフルエンザ感染による発熱から24~48時間くらいで
急激に体調が変化し、嘔吐、痙攣、意識障害などが
みられるようになります。
また、妄想や幻覚などによる異常な言動もあらわれます。
主に1~3歳児が発症し、そのうち30%が死亡、
25%に運動麻痺などの後遺症が残るという非常に危険な疾患です。
2、肺炎
インフルエンザによって体の抵抗力が弱くなっていると、
ウイルスや細菌が肺に侵入し、炎症を起こすことがあります。
のどが痛くないのにせきが出たり、38℃以上の高熱が
1週間以上続きます。
また、呼吸が苦しくなることもあります。
体力が落ちている人や、免疫力の弱い子どもやお年寄りが、
インフルエンザや風邪の合併症として発症することが多く、
ときには死に至ることもありますので、注意が必要です。
3、心筋炎
心筋炎は、心臓を動かしている筋肉(心筋)が
インフルエンザなどのウイルスや細菌に感染することで
炎症を起こす疾患です。
発熱、せき、のどの痛み、全身の倦怠感などの風邪に
似た症状に続き、加えて動悸、不整脈、呼吸困難などの
症状があらわれます。
重症化すると劇症型心筋炎に発展しますので、
早急な対処が必要です。
次回は、インフルエンザの予防と対処法についてです。
風邪をなるべくひかないよう、日々身体を冷やさないように、
お過ごし下さいね。